「仕事で地域を巡りながら見守り活動もしていきたい」と話す得田光司さん=福崎町東田原
「仕事で地域を巡りながら見守り活動もしていきたい」と話す得田光司さん=福崎町東田原

 行方不明になっていた幼児2人を保護したとして、兵庫県警福崎署はJA兵庫西福崎農機センター(兵庫県福崎町東田原)の得田光司センター長(46)=兵庫県高砂市=に署長感謝状を贈った。自身にも小学生の息子がおり「子どもだけで出歩いているのを見て、心配になって」と振り返った。

■「制服を着ていたから不審がられずに済んだ」

 9月末の午後、得田さんは同町内で農機具修理を終え、車で事務所に戻っていた。市川に架かる橋の近くで、歩道を歩く女児(3)と男児(1)を見つけた。

 2人だけで歩いていたため「おつかいの様子を収録するテレビ番組か」と思ったが、カメラマンらしい姿もない。橋の欄干の隙間より子どもが小さく見えたので不安になった。

 声をかけると「近くのスーパーに父親がいる」と言われた。男児を抱き上げ、女児の手を引いて向かったが、店内にそれらしい人はいない。そのうちに2人はお菓子コーナーにくぎ付けに。得田さんは「1個ずつ買ってあげるから家に帰ろう」と説得。女児の案内を受けて自宅に送り届けた。

 家に着くと、父親の通報を受けた同署員がいた。同署によると、2人は自宅で父親に寝かしつけられたが、父親が10分ほどコインランドリーに出かけた間に家を出たとみられる。

 得田さんは「JAの制服を着ていたから周囲から不審がられずに済んだ」としつつ「日々地域を走っているので、今後もお年寄りや子どもたちの見守りができたら」と笑顔を見せた。(喜田美咲)