4月28日を、沖縄の人は「屈辱の日」と呼ぶ。1952(昭和27)年のこの日、講和条約発効で主権を回復した日本の中で、沖縄は奄美、小笠原とともに米軍の統治下に置かれた。そして差別と屈辱の日々が始まる。沖縄は戦争中、国内最大の地上戦が繰り広げられ、民間人を合わせ20万人を超える命が犠牲となった場所でもある。洲本市の元陸軍兵、片山省(しょう)さん(91)は沖縄戦を戦い、所属部隊が壊滅する中で奇跡的に生還した。シリーズ「戦争と人間」第4部は片山さんの証言を届ける。名護から大里、識名(しきな)から具志頭(ぐしちゃん)へ。戦地を駆け回った片山さんは、69年前の激戦を振り返って言った。「肉弾戦でしたわ」(上田勇紀)
2014/5/9