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阪神大震災を教訓に、兵庫県や全労済協会などが進めてきた「自然災害に対する国民的保障制度を求める国民会議」の全国署名が二十日、約二千四百万人に達し、代表世話人の貝原俊民兵庫県知事らから梶山静六官房長官に手渡された。国民会議はこれらの署名を背景に、六月をめどに新制度を検討する審議会が政府に設置されるよう、各都道府県議会や国会議員らに働き掛ける。
国民会議は兵庫県や全労済協会のほか、連合、日本生協連などが災害での住宅再建、生活再建の保障制度創設を目指し、昨年七月に発足させた。署名は兵庫県内で四百三十五万人を突破したほか、全国で目標の二千五百万人に迫り、トラック十台分になった。
この日、署名提出に先立ち衆院第二議員会館で開かれた「国民・都道府県民会議合同会議」では、自民、社民、民主、共産ら政党の代表者が激励のあいさつ。自民党は、柿沢弘治衆院議員が党地震対策特別委員会内に小委員会を設け、災害保障制度の創設を検討することを明らかにした。
一方、署名目録は首相官邸で貝原知事が梶山官房長官に手渡し、知事が「ぜひ審議会の設置をお願いしたい」と要望した。長官は「二千四百万人の署名の重みを感じる。責任をもって橋本総理に伝える」と答えたが、審議会設置については「制度上の問題点や財源、地域間の温度差などがあり環境整備が必要」と慎重な姿勢を崩さなかった。
この後、伊藤公介国土庁長官に署名提出を報告した貝原知事は「官房長官も国土庁長官にもしっかり受け止めてもらったと思う。しかし、自民党など政治主導の動きに期待しないと、行政レベルではなかなか難しい」と話した。
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