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 阪神・淡路大震災の被災者への公的支援を求め、市民グループとともに立法化に取り組んできた超党派議員は二十日午前、自然災害で住宅が全半壊した世帯に対する最高五百万円の支給を柱にした「災害被災者等支援法案」を参議院に提出した。十四日には新進、民主、太陽の野党三党が、震災の被災者に対象を絞った法案を衆議院へ提出しており、これで公的支援の議員法案が出そろった。ただ両案とも現状では過半数の議員の賛同を得ておらず、今国会成立に向け、より多くの議員に理解を求めていく。

 同法案は、現行の災害弔慰金法を大幅に改正した内容。一定の所得に満たない世帯を対象に、自然災害で住宅が全壊した世帯に最高五百万円、半壊した世帯に最高二百五十万円の「生活基盤回復支援金」を支給する。阪神大震災にもそ及適用する。

 これに要する費用は国が二分の一、都道府県と市町村がそれぞれ四分の一を負担するが、約一兆一千億円と見込む阪神大震災の被災者支給分は、国が全額負担する。

 また、災害援護資金の貸付制度の限度額は、現行の三百五十万円から五百万円に引き上げ、償還期間も十年から十二年に延長する。

 今回の法案は昨年五月、作家の小田実さんらの市民グループが提唱。一時は新たな法案を作る動きもあったが、災害弔慰金法に「生活基盤回復のための公的支援」とする理念などを盛り込む形を採った。

 法案の発議・賛同者は計三十九人。会派別の内訳は共産十四、社民十二、民主・新緑風会六、新社会三、平成会と二院クラブがそれぞれ二。

 提出後の記者会見で、発議者を代表して田英夫参院議員(社民)は「この法案が一日も早く審議、可決されるよう、他の議員にお願いしたい。衆議院に提出されている法案の賛同議員とも意見交換を深め、公的支援の実現に努力したい」と話した。

被災者支援法案骨子

 二十日、参院に提出された「災害被災者等支援法案」の主な内容は次の通り。同法案は、「災害弔慰金の支給等に関する法律の一部改正案」の形を取っている。

一、法律名の改正

 法律名を「災害被災者等支援法」に改める

二、目的規定の新設

 法律は、災害が当該地域の住民の生命、身体及び財産に多大の損害をもたらし、生活に重大な影響を及ぼすものであることにかんがみ、災害死亡者の遺族に支給する災害弔慰金、災害で精神、身体に著しい障害を受けた者に支給する災害障害見舞金、災害で居住する住宅が全・半壊した世帯主に支給する生活基盤回復支援金、災害で被害を受けた世帯主に貸し付ける災害援護資金について規定することにより、被災者等の支援を行い、これらの者の福祉の向上に資することを目的とする

三、生活基盤回復支援金の支給制度創設

 (1)市町村は、条例の定めるところにより、災害救助法による救助が行われる災害、その他政令で定める災害で、居住する住宅が全・半壊した世帯で、これに属するものの所得合計が政令に定める額に満たない世帯主に、生活基盤回復支援金の支給を行うことができる

 (2)支援金の額は一世帯当たり、全壊世帯は五百万円、半壊世帯は二百五十万円を超えない範囲で、その世帯に属するものの数に応じて政令で定める額以内とする

 (3)都道府県は支援金に要する費用の四分の三を負担し、国は都道府県負担分の三分の二を負担する

四、災害援護資金貸し付け制度の充実

 (1)援護資金の一災害での一世帯の限度額は、五百万円を超えない範囲で、政令で定める

 (2)援護資金の償還期間(据置期間含む)は、十二年を超えない範囲で政令で定める

五、施行期日など

 (1)法律は公布の日から起算して二月を超えない範囲で施行し、法律改正後の規定は平成七年一月十七日以後に生じた災害に関して適用する

 (2)阪神・淡路大震災で、市町村が条例によって生活基盤回復支援金を支給する場合は、三の(3)にかかわらず、国は費用の全額を負担する

1997/5/20

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