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サルの群れに囲まれて撮影する延原久美さん。施設の営業状況などはホームページで確認できる=洲本市畑田組
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サルの群れに囲まれて撮影する延原久美さん。施設の営業状況などはホームページで確認できる=洲本市畑田組

 「ポコちゃん、かわいい!」

 「今日、太郎くんはいますか?」

 兵庫県洲本市畑田組にある野生ザルの観察施設「淡路島モンキーセンター」から、職員の延原久美さん(60)がインスタグラムで発信するライブ配信に、視聴者が思い思いのコメントを入れる。それぞれ、一押しのサルがいるのだそう。

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 洲本市街から車で約30分。施設は、海に面する人里離れた山の斜面にある。約350匹を餌付けしており、このうち約300匹を個体識別し、約100匹に名前を付けている。

 延原さんが、画面に映るサルの名前を呼びながら、紹介していく。視聴者は次第に名前を覚え、お気に入りの1匹を見たいというコメントが来るようになったという。

 「今の一番人気は、目が垂れ気味の小夏かな」。群れに囲まれ、至近距離でスマートフォンのカメラを向ける。

 ライブ配信は数日ごとに続けている。集まるサルを見守りながら、かわいらしいしぐさがみられたり、人気のサルが山から下りてきたりすると、すぐにポケットからスマホを取り出して撮影する。

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 5年ほど前、施設は定点カメラを設置した。スタッフが帰宅した後も現地の様子がわかる。

 さらに、サル好きの人に楽しんでもらえるのではないかと考え、ユーチューブで24時間配信を始めた。視聴者は増え、夜中に下りてきたサルを見つけた人同士が、コメント欄で盛り上がるなどした。

 「もっと近い距離で見てもらおう」と、インスタグラムの投稿に力を入れた。誹謗(ひぼう)中傷があるなど怖いイメージが強かったという会員制交流サイト(SNS)だが、いまでは欠かせない発信手段になった。訪れるのが一苦労の施設へ、関西以外からも足を運ぶ人が増えた。

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 通常、サルの社会は序列が強い。しかし、施設に集まるサルの群れは、ボスザルが弱ったサルの世話をするなど優しく、寛容なのが特徴とされる。その生態が注目され、国内外から研究者が訪れている。

 日々、そんな淡路のサルたちに接する延原さん。「ここのサルならではの動画を多くの人に届け、ファンを広げたい」とアングルを探す。(中村有沙)

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