穂坂大地容疑者
穂坂大地容疑者

 神戸市西区の穂坂修(なお)ちゃん(6)の遺体が自宅近くの草むらで発見され、同居する祖母に対する監禁などの容疑で母親らきょうだい4人が逮捕された事件で、叔父の大地容疑者(32)が転居してきた約3カ月後から祖母の監禁が始まった疑いがあることが捜査関係者への取材で分かった。修ちゃんの体にあざが見つかり、保育園に通わなくなったのも大地容疑者の同居後とされ、兵庫県警捜査1課と神戸西署は、大地容疑者と他の家族との関係を詳しく調べている。

 県警は、祖母穂坂由美子さん(57)への監禁と傷害の疑いで、大地容疑者のほか、修ちゃんの母の沙喜容疑者(34)、叔母の朝美容疑者(30)と朝華容疑者(30)を逮捕。事件は、29日で発覚から1週間となる。

 捜査関係者によると、大地容疑者は昨年末ごろ、由美子さんら5人が暮らす神戸市西区玉津町居住(いすみ)の集合住宅に引っ越してきた。それまでは、同市長田区の集合住宅で妻と生活していたとされる。

 県警の調べに、由美子さんは「今年の3月ごろから押し入れに閉じ込められるようになった」などと説明。4月下旬には、修ちゃんの体にあざがあるのが保育園で確認された。市によると、修ちゃんは0歳の頃から通っていたが、あざが見つかった翌日を最後に登園しなくなったという。

 県警は、大地容疑者と、由美子さんや他のきょうだい3人、修ちゃんとのそれぞれの関係を捜査。大地容疑者が監禁、傷害容疑で主導的な立場にあった可能性も含め、修ちゃんへの暴行や遺体を遺棄した疑いも視野に慎重に調べを進める。

 長田区の集合住宅で大地容疑者の一家と付き合いがあった女性(70)は「(大地容疑者の)自宅から叫び声が聞こえることがあった」などと明かす。この女性によると、昨年11月ごろに大地容疑者の妻が逃れ、1カ月ほどたって大地容疑者もリュックを持っていなくなったという。