兵庫県道路公社の播但連絡道路管理事務所=30日午後、同県福崎町西田原
兵庫県道路公社の播但連絡道路管理事務所=30日午後、同県福崎町西田原

 兵庫県姫路市と朝来市を結ぶ播但連絡道路の道路維持修繕工事を巡り、入札に関する情報を漏らすなどした疑いがあるとして、兵庫県警捜査2課は30日、官製談合防止法違反と公競売入札妨害の疑いで、県道路公社播但連絡道路管理事務所(同県福崎町)の保全課に勤務する主査の男(38)を逮捕した。

 県警は、工事を落札した朝来市の総合建設業者で取締役を務める男(40)と、その下請け会社の取締役の男(49)と社員の男(67)の3人も公競売入札妨害容疑で逮捕。主査との接点を詳しく調べている。

 捜査2課によると、主査は2023年4月にあった姫路、高砂市にかかる橋梁の耐震補強修繕工事の入札に当たり、3人と共謀。同年3月上旬ごろ、事前に下請け会社の社員に工事価格を教えるなどし、公正な入札を妨害した疑いが持たれている。

 管理事務所の「開札結果表」などによると、総合建設業者は共同企業体としてこの入札に参加し、設定された入札下限額と同額の9億3970万円で落札。21~22年にも数千万~数億円規模の工事を、同様に下限額と同額か極めて近接した額で落としていたという。

 公共工事の入札下限額は、この額に近いほど落札の可能性が高まるため、入札段階では非公表とされる。県警は主査が情報を伝えたとされる経緯などを調べている。

 県道路公社は1971年3月に設立された。播但連絡道路は73年に市川大橋を含む約10キロの供用を開始し、現在は姫路市-朝来市間の約65キロを結ぶ。また、同公社ではこのほか、遠阪トンネル(朝来市-丹波市)の管理なども担っている。