JA兵庫西の元職員の男が、職員時代に顧客2人の預金口座から計約290万円を着服したとして兵庫県警たつの署などに逮捕される事件があり、同JAは1日、姫路市の本店で会見を開いた。福本博之組合長ら幹部が謝罪した上で、元職員が計50人前後の顧客の口座から計5千万円以上を着服した疑いがあると明らかにした。
11月30日に業務上横領容疑で逮捕されたのは、同県たつの市の会社員の男(46)。同JAによると、男は2014年以降、太子、龍野誉田、御津の3支店で渉外担当として勤務。顧客の依頼に応じ預金を引き出して自宅に届ける業務を担当し、高齢者を中心とする顧客の預金を引き出して着服した疑いがあるという。
20年に顧客の苦情で疑惑が浮上したが、男は内部調査に不正を否定。21年3月末に自主退職し、調査に応じなくなったという。今年10月、同JAがたつの署に告訴していた。
同JAの幹部は「現金を届ける際は原則2人体制にするなど再発防止策を立てた。捜査に協力し全容を解明したい」とした。(直江 純)