兵庫県相生、赤穂市にまたがる山陽自動車道尼子山トンネルで昨年9月に起きたトンネル火災で、兵庫県警高速隊と交通捜査課は16日、トンネル内で追突事故を起こした車を運転していた30~50代の男性7人を自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で書類送検した。
火災は昨年9月5日午前1時ごろに発生。西行き車線のトンネルを走行中のトラックから出火し、後続の22台に延焼した。当時、燃えて停車したトラックを追い越した車が、煙が充満する出口付近で相次いで追突。大型トラックや乗用車計9台が絡む多重事故になり、6人が重軽傷を負った。
書類送検されたのは、愛知や石川、岡山など5県に住むトラック運転手ら。兵庫県警は、炎と煙で道路の見通しが悪い中、前方の安全確認や減速を怠ったと判断した。7人はいずれも容疑を認め、最初に追突したトラック運転手(53)は「一刻も早くトンネルを抜けたかった」と説明したという。
この火災で、トンネルは復旧作業のため102日間にわたり通行止めが続いた。高速隊によると、出火したトラックの運転手については捜査を継続している。