警察官をかたって現金300万円をだまし取ったとして兵庫県警特殊詐欺特別捜査隊と生田署などは6日、詐欺と窃盗などの疑いで東京都新宿区の無職の男(43)と、住所不定無職の男(32)=いずれも窃盗罪などで起訴済み=を再逮捕した。同隊によると、2人は通信アプリ「テレグラム」で受け子らに指示する立場で逮捕は3回目。県警は認否を明らかにしていない。
2人の再逮捕容疑は、警察官を装った受け子役のタイ人の女(38)らと共謀し昨年1月25日、神戸市中央区の80代女性に「偽造された現金が混じっていることがあるので、現金を調べさせてほしい」などと電話し、現金300万円を詐取するなどした疑い。受け子役の女は、同じ日に別の高齢者宅からキャッシュカードをだまし取ろうとした疑いで現行犯逮捕され、80代女性に被害金は返されたという。
県警の発表によると、逮捕された男2人はテレグラム上で「木村たくや」と「東谷義和」という偽名を使用。SNS(交流サイト)で募集した受け子らに対しては、別のリクルーター役の男(51)=組織犯罪処罰法違反容疑などで逮捕済み、福岡県久留米市=を通じ、受け子役の実行に要した経費のレシートを提出させるなど、細かい組織管理が行われていたという。経費の内容は、受け子が変装に使う衣類代や、時間をつぶすためのカラオケ代などだった。県警は、男らが「エビデンス(証拠)とレスポンス(応答)が大事」などと指導してグループをまとめていたとみている。
県警は、逮捕した住所不定無職の男のパソコンなどから、主に関東圏の高齢者約1万人分の名簿を押収。引き続きグループの実態を調べている。