兵庫県警察本部=神戸市中央区
兵庫県警察本部=神戸市中央区

 東芝グループの姫路東芝電子部品(兵庫県姫路市網干区)から光センサーの部品製造に使う金型の図面データを持ち出したとして、兵庫県警生活経済課と網干署などは2日、不正競争防止法違反の疑いで、元社員の男(57)=姫路市=ら3人を逮捕した。県警はデータが最終的に中国の精密機械メーカーに渡ったことを確認。他にもデータ約2千件を持ち出した疑いがあるとみている。

 他に逮捕されたのは、中国籍で会社員の男(47)=同市=と無職の男(55)=兵庫県上郡町。ともに元社員の男(57)の妻が代表取締役を務める金型関連のコンサルティング会社「シンセイハイテック」(姫路市)で取締役を務めていた。

 3人の逮捕容疑は共謀して2022年12月、姫路東芝-の営業担当マネジャーだった元社員の男(57)が、会社のパソコンなどで「フォト・マイクロセンサー」の部品製造に使う金型の図面データ5個をメールに添付し、会社員の男(47)が使用するシンセイ社のアドレスに送信した疑い。同課は3人の認否を明らかにしていない。

 同課によると、姫路東芝-の調査では、元社員の男(57)が22年12月~23年10月、同様に半導体部品に関する金型の図面データや部品の価格リストなど、約2千件を送信した可能性が判明。同社は元社員の男(57)を懲戒解雇とし、24年1月に県警に相談した。

 同センサーは光を利用し対象物の形や位置を調べる小型の光センサー。プリンターやカメラ、内視鏡機器などに用いられている。