同じ空間にいても、目の見えない人、耳の聞こえない人、健常者はそれぞれ異なった空間イメージを抱き、表現する。視覚障害者はたくさんの音情報を集めて空間を把握し、聴覚障害者は目を凝らし手話や動きで感情豊かな表現をする。国立民族学博物館の広瀬浩二郎教授はその違いを「異文化」とし、異文化の相互理解とコミュニケーションについて説いた2冊の本を出版した。
1冊目は、同博物館特任助教の相良啓子さんとの共著「『よく見る人』と『よく聴く人』 共生のためのコミュニケーション手法」(岩波ジュニア新書)。もう1冊は「ユニバーサル・ミュージアムへのいざない」(三元社)である。