建造された「フォーチュンリバー号」
建造された「フォーチュンリバー号」

 その事業は突然、阪神・淡路復興委員会の席上、委員長下河辺(しもこうべ)淳から出された。1995年2月24日午後6時に総理官邸で始まった第2回会合。「委員長として言うのではないが…」。控えめな口調で切り出した。

 「神戸は長江の中流まで行ける交流をすると、いろいろなテーマが出てくる。だから港湾ふ頭の中で中国エリアをつくってくれと私は思う。ここは中国との交流港湾であって最後にチャイナタウンもあるというような町をつくるとなると中国は必ず乗ってくるだろう。日本企業も上海では賃金が高いので長江の上流の方へずっと行っているわけです。それを神戸へつなぐと動きは確実に出る」

自ら旗振り役に