深刻な人手不足の解決策や人工知能(AI)活用の事例を関西から示そうと、りそな総合研究所(大阪市)の荒木秀之主席研究員(51)が新書「外国人かAIか」(産経新聞出版)を著した。国と地方、官と民の取るべき方策を提示。「地域全体で自動化・省力化のソリューション(課題解決策)を磨けば、経済成長につなげられる」と力説する。
荒木さんは関西を代表するエコノミストの一人で、2022年4月から神戸新聞夕刊に月1回、「ひょうご経済ラボ」を寄稿している。著書は16年に「関西から巻き返す日本経済」(金融財政事情研究会)を出して以来2冊目となるが、その動機は「大いなる危機感だった」と言う。
関西は三大都市圏で人口減少ペースが最も速い。インバウンド(訪日客)急増もあって人手不足は深刻だ。厳しい状況にあるのが中小企業で、人手不足を理由とした倒産が増えている。
荒木さんは「不足している人数や充足させる方策など、数の議論が国にも地方にもない。外国人雇用の拡大や解雇規制の緩和など、何となく効きそうな手法は、果たして日本社会にプラスなのか」と危機感の理由を説明する。
本書では、AIによる自動化や省力化が解決の鍵になると指摘。中小企業にAI投資を働きかける具体的手法を示すと同時に「攻め」の戦略も提案している。
荒木さんは「ものづくり企業がそろう関西は、自前で自動化サービスを提供できるまれな地域。アジア各国に輸出できれば、成長の起爆剤になる」と語る。
208ページ、1210円。(高見雄樹)
【あらき・ひでゆき】小野高、大阪大経済学部卒。97年三菱信託銀行。富士通総研を経て02年大和銀総合研究所(現りそな総合研究所)に移り、12年から現職。加東市(旧兵庫県社町)出身。























