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HSCへの理解を深める勉強会を始めた「toitoi」のメンバー=西宮市上田東町
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HSCへの理解を深める勉強会を始めた「toitoi」のメンバー=西宮市上田東町

 他人の気持ちや環境の変化を敏感に察知するなどの気質を持つ「HSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)」と呼ばれる子を持つ親たちが特性への理解を広げようと、兵庫県西宮市内で勉強会を立ち上げた。子どもの5人に1人の割合で見られるといい、人付き合いや集団生活になじめず、不登校につながるケースもある。メンバーは「HSCへの関わり方を学ぶ機会にしてほしい」と呼び掛ける。(久保田麻依子)

 自分以外の子どもが先生に怒られているのが怖い▽家庭科室や音楽室、給食時のにおいが苦手▽周りの空気を読みすぎて仲間はずれにされる-。

 発起人の一人、中村智子さん(50)=西宮市=によると、HSCにはそんな特性が見られるという。

 勉強会は、不登校に悩む親と子の集い場として昨年2月に結成された「toitoi(といとい)」が企画。地域のコミュニティー支援を行うNPO法人「なごみ」(西宮市)を母体に週1回、悩みを打ち明けたり、工作などのワークショップを開いたりする中、不登校にはHSCが多いことに親たちが着目したのがきっかけだ。

 疾患や障害ではなく、特性そのものへの認知度は低いため、「気合いで学校に通わせるのが親の役目」「親が優しすぎる」と誤解されることも多いという。

 一方で、「HSCには良い面もたくさんある」と中村さん。本や講座を通じて学びを深めると、こう考えるようになった。

 「細かいところにも気配りができる子が多い。大切なのは大人が寄り添って、自己肯定感を高めること」

 勉強会は4月、オンラインで初開催。特性をチェックリストにして確認したり、子育てで直面した悩み事を共有したりすると、参加した教育関係者からも反響があり、手応えを感じた。

 共に活動する中長えり子さん(42)=西宮市=も社会の変化に期待する。「現状では、不登校の子が学校以外で過ごすことに抵抗感を抱く人が少なくない。しかし、HSCへの理解が広がれば、学校現場も不登校に対し柔軟に対応できるようになるのではないか」

 勉強会は今後も不定期で開く予定。集い場の関係者は「親が一息できる場として、不登校やHSCの悩みを共有してほしい」としている。

 問い合わせはメールtoitoi.naruo@gmail.com

■日本にHSC紹介した明橋医師に聞く

 HSCはアメリカの心理学者、エレイン・アーロン氏が提唱した。日本では、明橋大二医師(真生会富山病院・心療内科部長)が「ひといちばい敏感な子」と邦訳し、自著「HSCの子育てハッピーアドバイス」(1万年堂出版)などを出版して広く知られることとなった。明橋医師にHSCの特徴や接し方などを聞いた。

 -5人に1人がHSCの特性を持つといわれている

 「HSCは、においや音など感覚的に敏感なことと、人の気持ちに敏感なことが挙げられる。例えば『ボールペンのカチカチする音が気になる』とか『給食の味がいつもと違う』など。先生の怒鳴り声や、人の悪口を言う子どもに対して人一倍反応してしまい、しんどくなったり、気分が悪くなったりする」

 -不登校の子どもにはHSCが多い

 「HSCは病気や障害ではなく、生まれ持った気質だ。ただ、相談に来る不登校の子は8割ほどがHSC気質を持っている。ストレスや不安が蓄積し、心身に症状が出るケースも多い」

 -周囲や学校の理解は

 「ここ1~2年ほどで講演する機会が増え、スクールカウンセラーなどの相談員からは理解を得られていると感じる。しかし『甘やかし』といった見方も根強い。地域で結成された当事者の会、そして理解のある先生方を頼り、アドバイスを受けることが有効だ」

 -HSC気質の子育てに悩む保護者への助言は

 「一般的な育児書やアドバイスは役に立たないかもしれないが、HSCにはたくさんの長所がある。目の前にいるわが子としっかり向き合い、その子らしく成長できる子育てをしてほしい」

 「HSCが敏感に怖がることは、他の子も少なからず不快に感じているはず。学校現場では腫れ物扱いせず、全ての子どもが過ごしやすい環境づくりに取り組む必要がある」(聞き手・久保田麻依子)

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