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保護者に届いた預かり保育料の返還手続きに関する資料。本来、園が市に提出する期限は4月上旬だった(関係者提供)
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保護者に届いた預かり保育料の返還手続きに関する資料。本来、園が市に提出する期限は4月上旬だった(関係者提供)

 兵庫県伊丹市の私立幼稚園に子どもを通わせる保護者から「預かり保育は無償化されたはずなのに、料金を取られたまま返ってもこない。園が取り込んでいるのではないか」という情報が、神戸新聞の双方向報道「スクープラボ」に寄せられた。取材すると、園が手続きを怠っていた事実が判明。チェック体制の甘さも浮き彫りになった。(久保田麻依子)

 国の幼児教育・保育の無償化は2019年10月に始まった。保育料のほか、認定こども園や条件を満たした幼稚園などでの3~5歳児の預かり保育も、最大月額1万1300円まで無償化された。

 預かり保育の利用料はいったん施設に支払い、園を通じて償還払いの手続きをすると、市区町村から利用料が返ってくる仕組みだ。財源は国が2分の1、都道府県と自治体が4分の1ずつを賄う。

 この園の保護者らからは「多い人では10万円以上返金されていない」などの情報が寄せられた。子ども2人を同園に通わせる保護者は昨年6月~翌1月までに、計5万5200円分の預かり保育料を園に支払ったという。

 保護者によると、そもそも、園から償還払い手続きの案内が一切なかったという。伊丹市教育委員会を取材すると、今年に入って複数の保護者から相談を受け、制度開始以降、一度も手続きがないことを把握した。

 市教委の指摘を受けた園は5月下旬、在園児と卒園児に手続きに必要な書類の送付を始めた。市教委によると、7月下旬までに書類が提出されれば、請求期限(2年)内での返金が可能という。

 園の担当者は神戸新聞社の取材に「(別の)作業に追われ、後回しになってしまった。保護者には『手続き中なので待ってほしい』と説明している」とした。償還金は保護者に直接支払われるため、園が利用料と償還金を二重取りすることはできない。

 なぜ、こんなお粗末な事態が起きたのか。指摘されるのはチェック体制の甘さだ。私立幼稚園は都道府県や市町村の監査が数年に1度しかなく、文部科学省幼児教育課は「同様のケースは把握していないが、ほかの施設でも起こりうる可能性はある」としている。

 同課は「幼児教育の無償化が始まる際には都道府県への周知を行ってきた。保護者に確実に返金されるよう、時効期間に間に合うよう手続きを」と求めた。

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