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映像では悠以さんの曲「どっち?!」が登場。ソースかしょうゆか、ズボンかスカートか。「どっちでもええやんか! 大事なのは人生を楽しむこと」と歌う=尼崎市内
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映像では悠以さんの曲「どっち?!」が登場。ソースかしょうゆか、ズボンかスカートか。「どっちでもええやんか! 大事なのは人生を楽しむこと」と歌う=尼崎市内
東京五輪・パラリンピック組織委員会が主催する公式文化プログラムに出演した、尼崎市在住の悠以さん(同組織委提供)
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東京五輪・パラリンピック組織委員会が主催する公式文化プログラムに出演した、尼崎市在住の悠以さん(同組織委提供)

 高音と低音の声を使い分ける“両声類”のシンガー・ソングライターとして活躍する悠以(ゆい)さん(31)=兵庫県尼崎市=が、東京五輪・パラリンピック組織委員会が主催する公式文化プログラム「東京2020 NIPPON フェスティバル」の映像に出演している。ジェンダーや年齢、国籍、障害といった垣根を取っ払い、多彩なアーティストが多様性を伝える作品。性同一性障害とともに生きてきた悠以さんは「個性は魅力になる」と晴れやかな笑顔で歌う。(小谷千穂)

 悠以さんは男児として生まれ、「悠介」と名付けられたが、幼い頃から自身の体に違和感があった。性同一性障害の診断を受け、高校卒業を機に、女性としての名前を母親に付け直してもらったという。

 小学5年から作曲を始め、6年前から本格的に音楽活動を開始。男性の声と女性の声を使い分けるパフォーマンスで注目され、3年前には全国流通のCDデビューを果たした。ユーモアがあり話し上手なキャラクターで、昨年は上京してタレント活動を増やす計画だったが、コロナ禍でイベントが激減し断念した。

 パラのプログラムへの出演は、総合構成や監督、総指揮などを担当する俳優東ちづるさんからのオファー。悠以さんが歌うCDやユーチューブ動画が目に留まったと聞かされた。

 「まさか五輪に関わるなんて思ってもみなかった」と悠以さん。スポーツとは縁遠い人生だった。男女で分けられる体育の授業は苦手。一時期、少年野球チームに入ったが「好きな男の子が所属していた」という理由だった。「塁までスキップしたら辞めさせられた」と笑う。ただ「ここまで世界がひとつになれるのは五輪だけ。新しい形で関われることは光栄」と決意を固めた。

 映像では、ミュージシャンの平原綾香さん、お笑い芸人の小島よしおさんといった著名人のほか、車いすのダンサーやダウン症の書家、大阪府立登美丘高校ダンス部の部員ら総勢153人が出演。個性豊かにエンターテインメントの世界を表現する。悠以さんは、性的少数者(LGBT)を象徴するレインボーカラーのドレスに身を包んでオリジナル曲を歌い、踊る。

 今回の挑戦で、悠以さんは「自分にはまだ新しい可能性がある。夢を制限するのはやめよう」と自信を付けた。映像を通して「皆さんの人生にも何か小さな光を届けられたら」と願う。動画タイトルは「MAZEKOZE(まぜこぜ)アイランドツアー」。同組織委のユーチューブ公式チャンネルか、公式LINE(ライン)で見られる。

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