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緊急告知ラジオの売れ行きも好調で、最大で8900万円を超えた累積赤字を初めて解消した「さくらFM」の北村英夫社長=西宮市池田町
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緊急告知ラジオの売れ行きも好調で、最大で8900万円を超えた累積赤字を初めて解消した「さくらFM」の北村英夫社長=西宮市池田町
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 阪神・淡路大震災をきっかけに誕生し、兵庫県西宮市と同県芦屋市に電波を届ける地域ラジオ局「さくらFM」が2020年度、開局23年目にして初めて累積赤字を解消した。スポンサー料の低迷で赤字は最大約8900万円まで膨らんでいたが、地道な経営努力で少しずつ改善。近年は災害時に防災行政無線が聞ける「緊急告知ラジオ」の売れ行きが好調で、新型コロナウイルス感染拡大による経営への打撃を補った。(山岸洋介)

 さくらFMは、震災でラジオの役割が見直されたのを受け、各地に生まれたコミュニティー放送の一つ。地元企業や西宮市が株主となり、1998年3月に資本金9千万円で開局した。

 2016年4月からは芦屋市も経営に参画し、放送エリアを芦屋にも拡大した。地域ニュースや生活情報、行政情報を伝えるほか、災害時の緊急放送も担っている。

 しかし経営は当初から厳しく、開局から6年連続で単年度の赤字を計上した。02年度には累積赤字が約8900万円に上り、債務超過寸前となった。西宮市は番組制作委託料を増額し、資金を融資。局側も広告枠を拡大して民間スポンサー開拓に努めるなど、単年度の黒字を積み重ねてきた。

 20年度はコロナ禍に見舞われたが、緊急告知ラジオの販売益が経営を下支えし、1千万円超の黒字を確保。念願だった累積赤字の解消を果たした。

 12年10月から経営を率いる北村英夫社長(72)は「リスナーやスポンサー、行政、株主の支援のおかげ」と感謝する。しかし収入の大半を西宮市からの委託料に頼る構造からは脱却できておらず、引き続き民間からの収益アップが課題となる。北村社長は「今後も市民の安心安全を守る地域放送局の使命を果たしていきたい」と語った。

■「緊急告知ラジオ」自動で電源防災行政無線を聴取

 緊急告知ラジオは14年1月に発売し、西宮モデルと芦屋モデルを販売している。定価は8千円(税別)だが、西宮モデルは6千円(同)が西宮市から補助されるため、2千円(同)で購入できる。芦屋モデルは、市の緊急・災害時要援護者台帳に登録されている人は千円(税込み)になる。

 平常時にはAM・FMの各6局が聴けるほか、緊急時には自動で電源が入り、西宮市や芦屋市の発する「防災行政無線」と同じ内容が、最大音量で流れるようになっている。

 売れ行きは右肩上がりで、西宮モデルは13~18年度の計2865台に対し、補助制度が現在の形まで拡充された19年度は2895台。21年度は5月に西宮市内で全戸配布された防災マップに広告チラシを挟み込むと、1カ月ほどで約3千台が売れたという。

 販売台数は、西宮モデルが7月末時点で1万841台、芦屋モデルは8月1日時点で1007台となっている。

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