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知恵を合わせて編集作業をする大学時代のメンバー(提供)
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知恵を合わせて編集作業をする大学時代のメンバー(提供)
現在は社会人や大学院生となった執筆メンバーら
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現在は社会人や大学院生となった執筆メンバーら
直結型には「専門知識の習得のため」、非直結型では「学歴を得るため」が目立った(本より抽出)
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直結型には「専門知識の習得のため」、非直結型では「学歴を得るため」が目立った(本より抽出)
直結・非直結どちらも「授業」に重点を置きつつ、非直結の方が「留学や国際交流」に時間を割く割合が高かった(本より抽出)
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直結・非直結どちらも「授業」に重点を置きつつ、非直結の方が「留学や国際交流」に時間を割く割合が高かった(本より抽出)
関学生が出版した「私たちが勉強する意味 最高に楽しかったブラックゼミ」
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関学生が出版した「私たちが勉強する意味 最高に楽しかったブラックゼミ」

 勉強する意味ってあるん!?。関西学院大学国際学部に所属した女子学生4人が、そんな問いを追求した本「私たちが勉強する意味 最高に楽しかったブラックゼミ」を出版した。4人で「勉強」の定義を探し、海外の教育事情を調べ、学生らにアンケートも実施。2年間にわたり議論して悩み、ぶつかり、気付いていく過程を物語形式でつづる。彼女らがたどりついた答えとは-。(村上貴浩)

 「みんな何しに大学来たんやろう」「授業中にうるさかったり化粧したりしてるし」「みんな勿体(もったい)ないことしてるなーとは思うなあ」。本はB5判181ページ。4人が何げなく話すシーンで始まり、関西弁の問答を繰り広げて進んでいく。

 筆者は現在、海外の大学院に通う桑原志帆さん(23)、会社員の越仲舞さん(23)、国家公務員の田中真央さん(24)、会社員の西岡彩音さん(24)。

 所属した關谷(せきや)武司教授のゼミでは、卒業論文の提出とは別に、自身でテーマを決めて活動することを課せられる。学生たちで東日本大震災のボランティア団体を設立した上級生もいて、その志の高さが「ブラックゼミ」と呼ばれる由縁だ。

 就職先を決めずに大学に入った4人。受験勉強を終えて「なぜ勉強をするのか」をテーマにブログをつくろうと計画すると、先輩から「もっと大きなことをしなさい」と言われ、勢いで本の出版を決めてしまう。

   ◆

 本は4人が答えを探して葛藤し、右往左往するやりとりをそのままに記す。

 途中で海外留学したメンバーの意見をもとに各国との教育状況を比較し、日本では大学生活を就職までの自由時間「モラトリアム」と考える学生が多いと想定。そこで他大学にも足を運んで300人以上のデータを集めると、輪郭が浮かび上がってきた。

 大学が就職に「直結」する学生は勉強を「専門職を目指すトレーニング」とする傾向にあり、4人を含め、そうでない「非直結」の学生は大学の勉強を「やりたいことを見つけるための旅」のように捉えていた。

 では、社会に出れば勉強は終わるのか。議論が行き詰まると、4人は衝突したり「ついていけない」と泣いて離脱しようとする仲間を皆で励ましたり。しかし、一つの答えに気が付くと、物語は一気に展開する。

 -今の自由が、私たちを試しているんだ。

   ◆

 4人は關谷教授と酒も交わしながら議論を広げていく。大学が社会の歯車となる人材を育てる場になっていないか。人工知能が発達しても、使われる側でなくリーダーになるにはどうすればいいか。今も続く世界の戦争に何ができるか…。

 關谷教授が語り掛ける。「正しい答えを導き出すことよりも、考えることが大事なんだよ。考えて、仲間と一緒に語ること、それが大事なんだ」

 本の終盤、4人はそれぞれに自分なりの答えをつづりつつ、こう記した。

 「私たちは、勉強する意味を考えることは生きる意味を考えることに等しいと気づいた。私たちが勉強する理由。それは『何のために学ぶのか』について、自分たちなりに考え、その後『生きる意味』を生涯にわたって磨いていくためではないだろうか」

 2020年3月、製本作業を残して3人が卒業。その後はオンライン会議を繰り返し、休学明けの田中さんが今年4月末、完成させた。關谷教授は「本の制作がここまで生徒を成長させることに驚いた」と話し「普段は見られない、大学生のリアルな姿が描かれている魅力的な1冊」と力を込める。関西学院大学出版会、1600円。

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