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熟成させるためにソーセージをつるす=尼崎市名神町2、しんわ名神工場(提供)
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熟成させるためにソーセージをつるす=尼崎市名神町2、しんわ名神工場(提供)
羊の腸に肉詰めする利用者ら=尼崎市名神町2、しんわ名神工場(提供)
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羊の腸に肉詰めする利用者ら=尼崎市名神町2、しんわ名神工場(提供)
「番屋惣兵衛」のブランド名で販売されているソーセージ
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「番屋惣兵衛」のブランド名で販売されているソーセージ
商品開発の苦労を語る塚本信之さん(左)と栃尾惣一さん=尼崎市名神町2、しんわ名神工場(提供)
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商品開発の苦労を語る塚本信之さん(左)と栃尾惣一さん=尼崎市名神町2、しんわ名神工場(提供)
月に1度の工場直売会。リピーターも徐々に増えてきた=尼崎市名神町2、しんわ名神工場(提供)
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月に1度の工場直売会。リピーターも徐々に増えてきた=尼崎市名神町2、しんわ名神工場(提供)

 本物のおいしさで勝負する-。知的障害者の自立支援の一環で、高品質のソーセージやハムの製造販売に挑んでいる施設が兵庫県尼崎市内にある。一般社団法人福祉心話会(同県西宮市)が立ち上げたブランド「番屋惣兵衛(ばんやそうべえ)」。量産品にはまねできない手作業での仕込みや長期熟成でうま味を引き出し、ドイツ農業協会の「食品品質競技会」で3回も金賞に輝いて全国各地の百貨店などに販路を広げつつある。(竹本拓也)

 尼崎市名神町2の「しんわ名神工場」。技術職員の男性が冷蔵庫のような機械の扉を開け、出来上がった熱々のソーセージをはさみで切り分けると、利用者たちが集まってきた。

 自分たちで肉の細引きや塩漬け、羊の腸への肉詰めを手掛け、その味を確かめる「検品」の時間。「やっぱり、おいしいなあ」「私が作ったんやで」。笑顔が広がった。

 福祉心話会は阪神間で知的障害者向けに20カ所のグループホームと8カ所の作業所を運営する。

 かつて就労訓練としてクッキーを作る中、施設長の栃尾惣一さん(64)は「高品質の商品を作って、より高い工賃を生み出せないか」と思い付いた。作業が複雑になっても「うちの利用者は、時間をかけて丁寧なものを作り出せる」という自信があったからだ。

 着目したのがソーセージやハム、ベーコンといった肉加工品だった。2016年6月、億単位の資金を投じて工場を造り、大手メーカーでハム・ソーセージの商品開発を手掛けていた友人の1級技能士、塚本信之さん(63)を東京から呼び寄せ、製造に乗り出した。

     ◇     ◇

 ブランド化への強みとして見据えたのは、まさに手間と時間だ。ソーセージは市販品だと5日程度の熟成で出荷するが、その2倍の11日間をかけて熟成。ベーコンについても市販品の3倍となる13日間も寝かせる。薫製に使うチップには、国内で広く使われるサクラではなく、欧州で好まれるブナを使って「柔らかい香り」にこだわった。

 狙いは当たった。生産量は月当たり400キロと多くはないが、月1回の工場直売会でリピーターが増え、百貨店などから注文が相次いだ。昨年は尼崎らしさあふれる逸品を表彰する「メイドインアマガサキコンペ」のグランプリに輝いた。

 人気上昇に伴って今、個性豊かな商品も次々と生み出している。養父市特産の「朝倉サンショウ」で仕込んだベーコン、栗を食べて育った「栗豚」のハム…。香美町の「道の駅あまるべ」ではソーセージを使ったホットドッグが大好評だ。

 利用者約140人が入所するグループホームの朝食には必ずソーセージが提供されるようになった。栃尾さんはこう手応えを話す。

 「安全でおいしいものを自分たちで作り、それを食べているんだと、みんなで実感している。そして、たくさんの人に食べてもらっている。そこに、やりがいを感じているんです」

 ソーセージは1袋760円から。注文は「番屋惣兵衛」のオンラインショップで。福祉心話会管理事務所TEL06・6423・7844

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