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昨年末の定期演奏会でエゴラドマスクを付ける団員たち(混声合唱団エゴラド提供)
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昨年末の定期演奏会でエゴラドマスクを付ける団員たち(混声合唱団エゴラド提供)
エゴラドマスクを紹介する動画の一部(混声合唱団エゴラド提供)
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エゴラドマスクを紹介する動画の一部(混声合唱団エゴラド提供)

 関西学院大学(兵庫県西宮市)の混声合唱団エゴラドが合唱用マスク「エゴラドマスク」を開発した。通常のマスクよりも大きく、歌う際に口を開けてもずれにくく、呼吸がしやすい。試行錯誤を重ねて素材も抗菌効果が高いものを使い、部長の守屋太郎さん(22)は「コロナ禍で合唱をすることが難しく、世間の目も厳しい。必要とする人たちに使ってほしい」と話す。(村上貴浩)

 白い生地に黒い縁、ほほの部分には関学のシンボル・三日月をモチーフにしたロゴマークが入り、アクセントとなっている。

 守屋さんによると、一般的な不織布マスクでは大きく口を開けるとずれてしまい、呼吸をするにも鼻や口にマスクが張り付いてしまうため、思うように発声ができないという。

 そこで、鼻と口の部分にワイヤを入れて空間を確保し、息を吸っても張り付かないようにした上で、飛まつが飛ばないようにあごの下を布で覆うという工夫をした。素材は、光に当てれば抗菌作用を発揮する光触媒の生地を使った。

    ◆    ◆

 同合唱団は1954年に創部し、現在約50人の学生が所属する。新型コロナの感染拡大で、合唱は飛まつが飛ぶため披露する機会が激減し、一時は練習さえも困難な状態になった。

 東京のプロ合唱団が作ったマスクなどを試したが、見栄えが悪かったり感染防止力が低かったり。すると、自分たちで実用的なものを作ろうと思い立った。

 大きめの布で顔の下半分から首までを覆うようなマスクは剣道用の「面マスク」が有名だが、実際に使うと、口は大きく開けられるものの合唱団の制服には合わなかった。次に試したのは、鳥のくちばしのようにとがった形状のマスク。これは特有の見た目が男性陣に好評だったが、女性陣から猛反対を受けてしまう。

 昨年8月末、守屋さんが悩んでいると、母親から「このオシャレなマスク、誰が作ってるのかな」とネット上の1枚を見せられた。調べると、手作り布マスクのデザインなどを手がけるデザイナー林茂昭さんの作品だった。

 早速連絡をとり、合唱用マスクの制作を相談すると、二つ返事で快諾してくれた。ワイヤを通す部分を変え、縫い目を折り返して顔に糸が当たらないようにして細部にもこだわり、試作品は20を超えた。

    ◆    ◆

 昨年11月末、定期演奏会が目前に迫る中でようやく出来上がり、大学に使用の承諾も得た。

 ところが、未完成の部分もあった。文部科学省が直前に「あごの下部分が開いているマスクは効果が低い」との見解を出してしまう。全国では感染拡大の第3波が広がり、合唱コンクールが原因とされるクラスターが多発していた。

 「もう間に合わないと思った」と守屋さん。発注していた70枚を急きょ差し戻して最初から縫い直し、演奏会直前でなんとか完成させて団員たちに配ると、歓声に沸いたという。

 3年生の小池杏侑さん(21)は「マスクをつまみながら歌ったりしていて不便だったので、とてもうれしかった」と振り返る。

 演奏会の成功を受け、ほとんど原価で販売を始めた。それは「合唱をしたくてもできない人たちに届いてほしい」との思いからだ。

 合唱団の名前「エゴラド」は、不快な声を表す「どら声」を逆さにしたのが由来という。守屋さんは「団名には『澄んだ美しい歌声を届ける』という意味がある。コロナ禍でもエゴラドマスクで美しい歌声を響かせ続けたい」としている。

 1枚2200円(税込み)。サイズはSS-Mの3種類。6色展開で、希望すればロゴのプリントもできる。問い合わせ、申し込みはメールアドレス(egolado.mask@gmail.com)

(村上貴浩)

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