兵庫県伊丹市が、小劇場演劇の拠点として全国的に知られる「アイホール」(同市伊丹2)の事業見直しを進めている問題で、市は17日、今後3年をめどに現状の運用を継続し、引き続き用途変更を検討していく方針を明らかにした。市民意識調査で75%が「用途変更」「経営改善」を求めているとし、演劇機能を他の文化施設に移転集約したり、市内に3カ所ある文化施設を一体運用したりする案も示した。
市は19日に市民説明会を予定しており、これを前に市議会都市企業常任委員会で説明した。
市によると9月に市民約3千人(無作為抽出)にアンケートを送り、870件の回答があった。アイホールの今後のあり方には、新たな市民サービスの場として活用する「用途変更」が57%と最も多く、運営費や改修費を見直す「経営改善」が19%▽「継続審議」は16%▽「現状維持」は5%-と続いた。
市はこの結果などを踏まえ、今後3年間を想定にアイホールでの演劇事業を続けた上で、市民の声を聞きながら用途変更の検討を続けたいとした。
その上で、演劇ホールを用途変更する場合には、演劇機能を他の施設に移転する案を説明。文化会館と音楽ホールを含めた3施設を一体的に運用する可能性も示した。
中高生の演劇交流の場として人気のあるワークショップは今後も市が継続する。約4億円が見込まれる舞台の改修費については、演劇関係者から「施設の一部機能停止などで圧縮できる」と提案があったとした。
アイホールはJR伊丹駅前に1988年にオープンし、関西屈指の演劇専用ホールとして知られる。今年に入って、市が民間事業者による用途変更を含めた今後のあり方を検討し、演劇関係者を中心に存続や議論を望む署名・要望活動が相次いでいた。
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市は19日午後6時半から、市民向け説明会をアイフォニックホール(同市宮ノ前1)で開く。市内在住・在学・在勤者が対象。申し込みは市ホームページで18日まで受け付ける。(久保田麻依子)
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