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横田誠治署長からのじぎく賞を受け取る武原さん夫婦=甲子園署
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横田誠治署長からのじぎく賞を受け取る武原さん夫婦=甲子園署
高齢男性を救助した現場周辺。古びた足場は所々さびて穴が開いている=西宮市高須町2
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高齢男性を救助した現場周辺。古びた足場は所々さびて穴が開いている=西宮市高須町2
高齢男性がしがみついていたロープなど
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高齢男性がしがみついていたロープなど

 岸壁付近で溺れかけた高齢男性(82)を救助したとして、兵庫県警甲子園署は同県西宮市内の会社員武原正二さん(43)と妻のひとみさん(27)に、県の善行賞「のじぎく賞」を贈った。男性は15分ほどの間、水の中にいたことで低体温症になっており、発見が遅れていれば命が危うかった。(浮田志保)

 7日午後8時ごろ、武原さん夫婦は散歩中、西宮市高須町の鳴尾川河口付近に差し掛かると、ふいに「うー…」「助けて…」という声を聞いた。しかし、辺りを見渡しても人の姿はなく、暗がりに自動販売機がぼんやりと光っているだけ。船のきしむ音だろうか…、それとも幽霊か…。

 「誰かいるの!?」「大丈夫ですか!?」と大きな声を上げたが返事はない。近くの渡船に近づくと、停留中の渡船のロープに必死にしがみつく高齢男性を見つけた。上半身だけが水面から出ている状態だ。

 正二さんはとっさに近くにあったはしごを手に取ったが、川の底に届かない。悩んだ末、身をぎりぎりまで乗り出し、男性の背中側のベルトをつかんだ。

 「絶対に助けるから」

 そう声を掛けると「ありがとう」と返事があった。

 ひとみさんはこの時、妊娠5カ月。おなかが膨らみ始めた頃だが、携帯電話で119番をした後、波で渡船が動いて男性が岸壁に挟まれないよう、手足を伸ばして力の限り船側を押さえ続けた。

 その5分後、救急隊員3人が駆け付け、正二さんと一緒に男性を引き上げた。

 甲子園署によると、男性は認知症の症状があって行方不明になったといい、武原さんが見つける直前の午後7時45分ごろに同署へ捜索願が出ていた。川へ誤って落下した可能性が高いという。男性は搬送され、無事だった。

     ◆

 のじぎく賞の伝達式では、同署の横田誠治署長が「夫婦とおなかの子、3人の連携は素晴らしい功労」とたたえた。

 「男性の体力が尽きず、助けることができてよかった」と正二さんは、ほっとした表情を見せた。妊娠中のひとみさんのために一緒に市内を中心にウオーキングを続けており、現場付近には初めて訪れたという。

 ひとみさんは来年4月15日が予定日だという。「おなかの子のおかげで散歩をする気になり、人助けができた」とおなかをさすり、「生まれた後には話をしてあげたい。人を助ける子に育ってほしい」と笑顔を見せた。

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