兵庫県尼崎市保健所の幹部が性的少数者(LGBT)の30代男性職員に公務中のカミングアウトを控えるよう指導した問題を受け、稲村和美市長は20日の定例会見で「多様な性を理解していこうとする最中の出来事で、今後繰り返すことがないよう取り組む」と述べた。
会見での主なやり取りは次の通り。
-幹部の対応など一連の問題の検証は。
「検証というレベルか分からないが、詳しい報告を現場に求めている。時間がたち、職員も退職していて詳しい事実確認は難しい点もあるが、どこが問題かしっかり分析する」
-再発防止策について。
「(性的マイノリティーへの理解や支援を表す)『アライ』のシールを作り、職場で見える場所に貼ってもらうなど、来年1月から『見える化』していく。アライを名乗るから全てを理解できているわけではないが、差別をなくしたいという姿勢や気持ちが見えるようになれば、当事者の応援になるのではないか。第1段階として、職員には必修に近い形でウェブ研修を受けてもらい、シールを渡す。シールを身に付けたり貼ったりするかは任意だ。市役所外へ広げることも次の段階で進めたい」
-市民団体から反応は。
「私は承知していない」
-市民から職員へのハラスメントに当たる恐れもある。
「(市民から)職員がお叱りを受けることはある。市側に反省点がある場合でも、市民から看過できない発言や対応があったなら許容、助長してはならない。こちらの主張も伝えながら納得してもらえるよう、コミュニケーションスキルを向上させる必要はある。大前提として職員は差別をせず、また差別をどうなくしていくかにも一定の役割を負っており、人権問題についても来年1月に研修を行う」(竹本拓也、大田将之)
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