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門をくぐり、行列で歩く参拝客たち=10日午前、西宮神社(撮影・大田将之)
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門をくぐり、行列で歩く参拝客たち=10日午前、西宮神社(撮影・大田将之)
縁起物を求める参拝者=西宮神社
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縁起物を求める参拝者=西宮神社
福笹を受け取る参拝客=10日午前、西宮市社家町、西宮神社
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福笹を受け取る参拝客=10日午前、西宮市社家町、西宮神社
商売繁盛の旗が並んだ境内=10日午前、西宮市社家町、西宮神社
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商売繁盛の旗が並んだ境内=10日午前、西宮市社家町、西宮神社

 えびす総本社の西宮神社(兵庫県西宮市社家町)で10日、開門神事があった。新型コロナの影響で昨年に引き続き、参拝一番乗りを競う「福男選び」は中止。しかし、開門時に走らずに本殿までの230メートルを抜けられるなんてまたとない機会だ。私、浮田志保も参拝者たちと一緒に歩いてみた。

 午前5時25分。国指定重要文化財の表大門に到着すると、既に100人ほどが並んでいた。私の後ろに次々と列が延びていく。

 午前6時。おはらいが終わっても「開門」の号令は列の後ろまでは届かない。前の人が動き始めて気付き、総勢500人の参拝者といざ出発。

 前の人は白い大型犬を連れている。動物も「あり」なんだ…と思ったら、立派な赤門が目前に。開門神事講社の方に「おめでとうございます」と声を掛けられ、一礼をして境内へ入ると、一気に視界が広がった。

 ピーヒャラ、ピーヒャラ♪とにぎやかな音が響く。左右には七味唐辛子や金魚すくいの出店がずらりと並ぶ。直線を50メートルほど進むと、右に130度はある急カーブに差し掛かる。福男選びで最初の難所とされる通称「てんびんカーブ」だ。

 地面がコンクリートから石畳に変わるため、これはさぞかし滑りやすいだろうなあ。続けて100メートルほどの直線を抜けると、右手に大きなクスノキが見えてきた。「そういえば、これに衝突して転んだ人をテレビで見たことがあるような…」。左に約110度のカーブがあり、曲がりきれないとぶつかってしまうのだ。

 さらに直線を30メートルほど進むと「魔物の角」と呼ばれる右の直角カーブが迫る。クスノキといい、直角カーブといい、福男になるにはこれだけの難所を次々にクリアする必要があり、その技量と運は確かにすごい。

 曲がりきって見えた本殿は、息を飲むほどの立派なたたずまい。荘厳と呼ぶのにふさわしい雰囲気がそこにあった。

 今年は初めて表大門の前に子ども連れたちが優先的に入れる「ユニバーサルエリア」が設置された。1歳の息子をベビーカーに乗せて参拝した夫婦は「走り参りをしない今年だからこそ、安心して連れて行くことができた」と楽しそうに笑った。

 スマホのカメラを片手に撮影して歩いていると「あ、ユーチューバーがおるで」と間違われた。まだまだ不慣れな新聞記者ですが、映像でも文字でも伝えていきます。

 大変なご時世ですが、皆さまの1年が良い年になりますように。(浮田志保)

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