阪神

  • 印刷
子どもたちに掃除の基本を教える「エコピカはかせ」(尼崎市提供)
拡大
子どもたちに掃除の基本を教える「エコピカはかせ」(尼崎市提供)
栄水化学に所属する「エコピカはかせ」。小学生を対象に掃除の基本を教え、生きる力を伝えている=尼崎市築地2
拡大
栄水化学に所属する「エコピカはかせ」。小学生を対象に掃除の基本を教え、生きる力を伝えている=尼崎市築地2

 兵庫県尼崎市内の小学校や地域のイベントに突如として現れる「エコピカはかせ」。小学生たちに掃除の基本を教える「エコピカはかせのおそうじ塾」を開き、「生きる力」を身に付けてほしいと活動している。はかせが所属する清掃事業者「栄水化学」(尼崎市築地2)の松本久晃社長に話を聞いた。(村上貴浩)

 「特別に博士が来ています」。教室で白衣姿の助手がそう伝えると、児童たちは興味津々。「はかせ!」。大きな声で呼ばれ、白いもじゃもじゃ髪の「エコピカはかせ」が登場した。手塚治虫さんの漫画「鉄腕アトム」に出てくる「お茶の水博士」によく似ている。「好きなことはお掃除、得意なこともお掃除じゃ」

 「ほうきは柄の一番上を親指で押さえるとぶつかったときに安全じゃ」「ぞうきんは縦に絞ることで力が入りやすいぞ」。他にも上履きの洗い方や洗面台の掃除の仕方を軽快な口調で伝授していく。

 栄水化学は1959年創業。薬の卸売りをしていた初代社長が床用ワックスを開発したが、在庫を抱えたためワックスを使える清掃業に転向した。3代目の松本社長も幼少時から掃除のいろはをたたき込まれ「掃除には自主性や協調性を学べる付加価値がある」と実感してきた。

 2013年、地域に必要とされる会社を目指し、子どもたちに何かできないかと社内で検討。若手社員が「掃除教室」を提案した。松本社長が幼い頃から教壇に憧れていたこともあって、エコピカはかせが誕生した。

 まず、従業員の子どもたちを会社に招いた。試行錯誤を繰り返し、ゲーム形式にするなど子どもたちが楽しみながら成長できる教室を考えた。16年には尼崎商工会議所主催の職業体験イベントに参加。会場を訪れていた小学校教諭の目に留まり「うちのクラスでやってください」と声を掛けられた。

 その後、口コミで小学校や保育所から依頼が相次いだ。しかし依頼が増えるにつれ、本業とのバランスが難しくなった。

 そんな時、尼崎市から声が掛かった。「大学生の力を借りませんか」。インターン制度を活用して大学生に掃除教室の企画や進行を任せると、柔軟なアイデアが次々と生まれた。学生にとっても社会経験ができ、お掃除教室は地域の人気イベントとなった。

 18年には活動が認められ「青少年の体験活動推進企業表彰」で文部科学大臣賞を受賞。「掃除で地域に貢献する会社と認められたようだった」と松本社長は振り返る。新型コロナウイルス感染拡大の影響で教室は中断しているが、状況が好転すれば活動を再開する予定という。

 教室の最後、はかせが優しい笑顔で言った。「掃除を通じて自然に良い行動ができる子になって、どこに出ても恥ずかしくない大人になってほしいのー」

阪神
阪神の最新
もっと見る
 

天気(5月17日)

  • 22℃
  • 16℃
  • 0%

  • 25℃
  • 12℃
  • 0%

  • 23℃
  • 16℃
  • 0%

  • 24℃
  • 15℃
  • 0%

お知らせ