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「晴れの日、曇り通り雨」の一場面(県立伊丹高校提供)
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「晴れの日、曇り通り雨」の一場面(県立伊丹高校提供)

 兵庫県立伊丹高校(兵庫県伊丹市)の演劇部が今夏初めて、全国高校演劇大会に出場する。部員はわずか7人。コロナ禍による活動制限に見舞われながらも、友達をテーマにした創作で、強豪校を抑えて近畿ブロックの頂点に立った。30日には京都・春秋座の招待公演「演じる高校生」で、一般に披露する。(田中真治)

 部長の2年古賀はなをさんが脚本を書いた「晴れの日、曇り通り雨」。昨年11月、阪神大会、県大会を経て、初の近畿大会で13校の中から最優秀賞の2校に選ばれ、創作脚本賞にも輝いた。「毎回『これが最後だ』と思っていて、勝ち進めるとは予想もしていなかった」と古賀さんは振り返る。

 劇は高校の卒業式の日、校舎裏の花壇が舞台。2年生の夏樹は植物だけが友達だ。そこに通りかかったのが八方美人の愛。1日だけでも友達になろうと、花壇の手入れを手伝い始める。ところが愛の友達の生物部長が、ビオトープを造るため移転を要求。夏樹と愛は大事な場所を守るため抵抗しながら、「友情」の意味を確かめ合っていく。

 夏樹役は古賀さん。愛役の2年池田萌さんは「会話だけで面白い話」と語る。劇的な展開や派手な演出はなく、セットもシンプルだが、審査員を務めた演劇人からは「心をマッサージする笑い。柔らかくなった観客の心にまっすぐなメッセージが届いてくる」と高く評価された。

 脚本は「二重構造が最初からできあがっていた」と顧問の五ノ井幹也教諭。卒業式と天気の「晴れ」の日、友達付き合いの苦手な子と日陰の花壇といった二重のキーワードにより「劇に深みが出てくる」。昨年までの大会のように潤色することをやめ、部員の持ち味を引き出そうと努めた。

 講評では、花壇の移転を巡る対立など理不尽な事態の描き方に「伊丹のアイホールのことを思った」と講評する審査員もいたという。

 アイホールは関西小劇場演劇の拠点で、地元の演劇部員にとっても発表や学びの場だが、市は劇場からの用途変更を検討中。古賀さんは執筆時に意識していなかったが、「言われてみて、あっと思った」。五ノ井教諭は「そう見えるのも二重構造があるから。自分の中の物語と舞台上の物語をリンクさせて、イメージが広がる」と話す。

 今回の快挙で、部員数の回復にも期待がかかる。全国大会は7月31日~8月2日に東京で。古賀さんと池田さんは、これを最後に引退する。「よりテーマを伝えられるよう、全員で稽古を重ねたい」。晴れの舞台に夢は膨らむ。

    ◇

 「演じる高校生」は午後2時から、感染防止対策をして上演予定。1500円、学生・25歳以下500円。春秋座TEL075・791・8240

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