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真剣な表情で懸垂をする藤田真子さん=大阪市浪速区
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真剣な表情で懸垂をする藤田真子さん=大阪市浪速区
柔軟体操をする参加者=大阪市浪速区
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柔軟体操をする参加者=大阪市浪速区
倒立の練習をする参加者(ポップサーカス提供)=大阪市浪速区
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倒立の練習をする参加者(ポップサーカス提供)=大阪市浪速区

 大阪市に拠点を置くサーカス団「ポップサーカス」が、次世代のサーカスアーティストを研修で育成する独自事業を始めた。日本のサーカスは海外に比べ、教育環境の不十分さが指摘されており、団体の垣根を越えて業界を活性化させる狙いがある。研修は1年間で、今月の初回には全国から選ばれた男女6人が参加し、柔軟体操や技の基礎練習に挑んだ。(村上貴浩)

 ポップサーカスは、日本で数少ない本格派のサーカス団として1996年に創業した。世界各国のアーティストが集まった大型テントの興行で、全国各地を巡っている。

 しかし、2020年2月を境に新型コロナの影響で、公演を中断せざるを得なくなった。そんな中、久保田悟代表(49)は「もっと日本のサーカス業界を活性化させたい」という以前からの希望をかなえようと、育成事業を発案した。

 総務部の渋谷明浩副部長(59)によると、海外のアーティストは代々サーカス一家の出自が多い。幼年期から教育されてレベルが高く、技術を披露する環境も整っているという。「それに比べ、日本はまだまだサーカスの歴史が浅い。(育成事業を)ポップサーカスだけでなく、業界全体の発展につなげたい」と話す。

    ◆    ◆

 1月9日、大阪府立体育会館(大阪市浪速区)には、公募に応じた数十人から選ばれた10~20代の男性3人、女性3人が集まった。講師は中国出身の張永強さん。中国東北部の大連にある雑技団などで活躍し、現在はポップサーカスの専属講師をしている。

 午前はまずストレッチから。簡単な体操から前屈、前後開脚へと難度を上げていく。「チャンリー(強く)!」との張さんの声に、6人は苦しそうに顔をゆがめながら関節を伸ばした。続いて筋トレへ。数種類の腹筋を「軽く50回を3セットね」と張さん。部屋は徐々に熱気を帯びていった。

 午後には倒立や側転、バック転を学んだ。2日目も同じメニューをこなし、今後はサーカス再開とともに、テント内での本格的な合宿練習に移行する。

 今後も参加者を募り、腕が上がれば志願するサーカス団体に挑戦してもらうという。

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 参加した兵庫県尼崎市の藤田真子さん(20)は、幼い頃に家族旅行で訪れたリゾート施設で、空中ブランコを体験。「楽しすぎて頭から離れなくなった」という。

 普通科の高校に2年通った後、アクロバットを学べる通信制の学校に編入。今は大阪市港区の「アクロバットスタジオ パワーアーツ」で鍛錬を積んでいる。

 「コロナ禍で練習を披露する機会がなく、サーカス団に入る夢をかなえられるかどうか不安だった」といい、たまたまネットで育成事業を見つけて応募した。

 「技や表現はもちろん、仕事を深く知って、空中ブランコをするプロのアーティストになりたい」

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