小学生のけん玉日本一を競う「全日本少年少女けん玉道選手権大会」(男子の部)で、兵庫県伊丹市立荻野小学校6年の山本蒼大(そうた)君(12)が優勝した。決勝では緊張感が漂うなか、持ち前の集中力を発揮。山本君は「昨年の悔しい思いをばねに練習をしてきた。これからも難しい技をどんどん習得していきたい」と喜んだ。(久保田麻依子)
蒼大君は、姉の朱莉さんの影響で保育園年長の6歳から「伊丹けん玉クラブ」に入った。小学1年で初段となってからは全国各地の大会に参加し、多い年は30回近く出場した。5年の時に小学生最上位の5段に合格し、めきめきと頭角を現した。
驚くのはその練習量だ。クラブには週5日通い、平日2時間半、休日4時間を訓練に充てる。夏休みはほぼ練習漬けの日々で、自宅での自主練もこなす。中学生、高校生の先輩たちに新しい技を教えてもらったり、組み合わせ技を生み出したりしてレベルアップを図る。40年以上同クラブを指導する植西和義代表(70)は「正確さに加え、最近では技の決まり方にキレが見えてきた」と太鼓判を押す。
有段者のみが出場できる全日本大会は、1対1のトーナメントで争う。5年で出場した時は、緊張で普段通りのパフォーマンスが出せず、2回戦で敗退した。
再挑戦で小学生最後の出場となった昨年11月の大会では、持ち手にある滑り止めの突起に玉をのせる「すべり止め極意」などを成功させ、ノーミスで優勝を果たした。大会では「手が震えっぱなし」ともいうが、蒼大君は「誰よりも練習してきたことが、自信につながった」とはにかむ。植西さんは「けん玉は成功と失敗がはっきりと分かるシビアな競技。場数を踏み、気持ちの面で大きく成長したことが日本一につながった」とねぎらう。
姉の朱莉さんも女子の部で2連覇した経歴を持ち、きょうだいそろって頂点に立った。蒼大君は「中学になってもけん玉を続けて、より高いレベルを目指していきたい」と目を輝かせた。
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