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韓国の民俗舞踊に挑む金満里さん(C)Kohji Fukunaga(Studio Epoque)
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韓国の民俗舞踊に挑む金満里さん(C)Kohji Fukunaga(Studio Epoque)
師にささげる「うさぎ」の舞(前澤秀登さん撮影)
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師にささげる「うさぎ」の舞(前澤秀登さん撮影)

 障害のある身体で独創的な表現を追求してきた劇団態変(大阪市)の主宰者・金満里(キムマンリ)さん(68)が「漆黒の赤」を11日から、兵庫県伊丹市伊丹2のアイホールで上演する。2人の師を失い再出発を期す、9年ぶりのソロ作品になる。(田中真治)

 金さんは、韓国古典芸能家・金紅珠(ホンジュ)さんを母に持つ在日2世。ポリオの後遺症で重度の障害者になった。1983年に劇団を創設。芸術監督として70作品以上を手掛け、国内外で評価を受けている。

 ソロを始めたのは、世界的舞踏家・大野一雄さんの「型ではない、魂の表現」という考え方に接したことがきっかけ。健常者の模倣ではない身体表現を求めていただけに、驚きと勇気を与えられた。

 第1作「ウリ・オモニ」(98年)は、母の死を受けて創作。大野さんの代表作「わたしのお母さん」から題名を借り、次男慶人(よしと)さんと2人に監修を依頼した。

 以後、計4作品を発表してきたが、2010年に一雄さん、20年に慶人さんが他界。「独り立ちしなさいと言われている感じがして、新作を創ることにした」

 劇団ではレオタードが基本だが、ソロでは師に倣い、シーンごとに衣装替えするのが特徴だ。今回は6つのシーンで構成。一雄さんから贈られたバラの造花や、慶人さんの「ウサギのダンス」の衣装を使うなどしてオマージュをささげる。

 チマ・チョゴリで韓国の民俗舞踊・サルプリも踊る。「母の舞台は見ていないが、神髄は体の中にある」と金さん。座ったままでの独自の振りを付けてもらい、劇団では封じてきた古典に向き合う。

 タイトルの「漆黒の赤」でイメージしたのは、破壊の後の萌芽(ほうが)のエネルギー。「ウサギ-」に込められた平和への祈りと対になり、「今の真っ暗な世の中で、点のように見える赤が広がっていく感じを持ちたい」と話す。

 11日午後7時半▽12日午後2時、6時半▽13日午後1時-の4回公演。11日は劇作家平田オリザさんとのトークがある。前売り一般3500円、障害者・介助者3千円など。アイホールTEL072・782・2000

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