兵庫県尼崎市は、脱炭素社会を目指す取り組みの一環で、公用車として導入した電気自動車(EV)2台を、休日に有料で貸し出すカーシェア事業を5月1日から始める。車は、トヨタの超小型EV「C+pod(シーポッド)」。2人乗りのコンパクトな車体で、市は「市内観光や買い物に利用してほしい。尼らしい路地裏のスポットを巡るのにも便利」とPRしている。(広畑千春)
市によると、公用車は現在約200台あり、大半は5人乗り以上。しかし、出先や関係先には職員2人で回るのがほとんどで「果たしてその大きさが必要なのかという疑問もあった」(担当者)という。
公用車の省エネや脱炭素化も課題になる中、市は本年度からガソリン車2台を試験的に超小型EVに換えて稼働率などの検証を始めた。そこで「せっかくなら、市民や観光客らにも体験してもらおう」と、職員が利用しない休日のカーシェアに乗り出すことにした。
平日は市役所に置き、休日には阪神尼崎駅北側の「トヨタレンタリース兵庫尼崎店」に移動させる。
利用料は15分200円、6時間3800円など(保険料込み)。利用するたびに、公共施設や加盟店で使える尼崎市の電子地域通貨「あま咲きコイン」が200ポイントずつたまる。
超小型EVを公用車としてカーシェアするのは愛知県豊田市、広島県大崎上島町に続く全国3例目。1回の充電で150キロ走ることができ、一般的な軽乗用車より一回り以上小さいが車内に圧迫感はなく、2人分の手荷物程度を載せられる。高速道路は走れない。
利用には、トヨタのカーシェアリングサービス専用アプリのダウンロードが必要になる。
市は「『身近な移動に超小型EV』という、新しい選択肢を提示したい」としている。市環境創造課TEL06・6489・6301
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