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停止線や白線が見えにくくなった横断歩道=西宮市上大市4
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停止線や白線が見えにくくなった横断歩道=西宮市上大市4
白線をスプレーで引き直す=西宮市上大市4
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白線をスプレーで引き直す=西宮市上大市4
二時間ほどで補修完了=西宮市上大市4
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二時間ほどで補修完了=西宮市上大市4
「おもいやり横断歩道」に指定された交差点。子どもの横断も多い=尼崎市上坂部1
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「おもいやり横断歩道」に指定された交差点。子どもの横断も多い=尼崎市上坂部1

 横断歩道上での事故が阪神間でも後を絶たず、兵庫県三田市を含む7市1町の警察署が安全対策に本腰を入れている。渡ろうとする歩行者がいた場合に車が止まる「停止率」は県内46署のうち尼崎3署と西宮署、伊丹署は県平均を下回る。取り締まり強化に加え、新たな啓発活動を手掛けつつ、「渡れない」「見えにくい」場所の情報提供を市民に呼び掛けて改善する。(村上貴浩)

■伊丹が県内33位

 県警によると、阪神間8市町で横断中の歩行者が事故に遭ったケースは2021年に県全体の3割を占める188件があり、4人が死亡した。今年は4月末までに56件あり、2人が亡くなっている。

 停止率は、各署が近くに交差点のない横断歩道1カ所を選び、平日の日中に2時間以内または50回の車の通行で計算した。すると、三田は県内2位の76・0%、芦屋が8位の66・0%で、10位が甲子園、11位が川西、13位が宝塚と続いた。

 一方で、阪神間ワーストは38位の伊丹で37・1%。尼崎3署と西宮も33位以下に並んだ。

 安全対策は県警をあげて、取り締まり、広報、修繕、効果測定などを集中して実施する。

■補修、白線くっきり

 「あなたのまちの『こんな横断歩道はイヤだ!』の情報をお寄せください」-。県警はそんな呼び掛けで、一斉補修に乗りだした。

 その一環で、西宮署が西宮市上大市4の交差点で、停止線や白線を補修するのに同行した。県内では神戸市や淡路島に続く3例目で、阪神間では初めて。

 ここは住宅街にある単路で、車が激しく行き交う。段上西小学校の通学路でもあり、子どもや自転車の通行が多いため、保護者からも補修の要望が出ていた。

 作業は、県警交通規制課の専門部隊が手掛けた。見えにくい線をガムテープでマスキングし、白いスプレーで塗装すると、2時間ほどでくっきりした。

 「メリハリのある横断歩道になれば運転手も自然とスピードが落ちる」と西宮署交通第1課の福岡靖課長が力を込める。

 県警は他にも「渡ろうとしても車が止まらない」「渋滞などで停車する車が横断歩道をふさいでいる」「不便、または危険と感じられる」場所についても情報提供を求めており、調査した上で取り締まりを強化し、交通規制を見直すなどするとしている。

■歩行者に思いやりを

 「横断歩道は歩行者優先」。これをドライバーにいかに徹底してもらうかが安全対策の鍵になる。そこで県警は県内58カ所を「おもいやり横断歩道」と銘打ち、重点的に取り締まりや啓発を進めることにした。

 尼崎東署管内では、JR塚口駅に近い尼崎市上坂部1の交差点が指定された。高層マンションが並ぶ住宅街で車の往来が多く、園田南小学校の通学路で「子どもが走って渡ることもあるので怖い」と保護者の声も出ている。

 署員らは電柱に「おもいやり横断歩道」と記した黄色の幕を張り、車やバイクの運転手に啓発チラシを配る。園田南小PTAの西懸恵子さんは「保護者が見守り活動もしているが、より安心できる」と話した。

 県警は他にも標語を駆使して、歩行者とドライバーが互いに合図を送る「横断歩道合図(アイズ)運動」や、横断歩道を予告する「◇(ダイヤ)マーク」が見えればアクセルから足を離す「手前減速運動」も展開中。トラックやタクシー、バス事業者が「横断歩道 歩行者優先宣言書」を発行し、事業所内に掲げてもらう取り組みも進めている。

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