「パワー！！」。今にも大声が聞こえてきそうな巨大人形が、兵庫県立尼崎北高校（尼崎市塚口町５）に現れた。同高の文化祭「北高祭」で恒例の出し物で、今年はお笑い芸人「なかやまきんに君」をモチーフに作り上げた。

　文化祭当日の１７日。正門から校内に入ると、４階建て校舎の３階部分まである人形が、白いタンクトップ姿で満面の笑みを浮かべていた。

　同高の文化祭は今年で５４回目。コロナ禍で中止、縮小が続いたが、今年は３年ぶりに一般公開もした。大人形は１９７０年から続く伝統の出し物で、その年に流行した芸能人やアニメキャラなどを作っている。

　筋肉を使った芸で、最近は「パワー！」「やー！」などのワードで人気のなかやまきんに君。「見ているだけで口角が上がるような元気をもらえる」と生徒の多数決でテーマに決まった。

　２年生の生徒たちが木材などで骨格を作り、そこに米など入れる肌色の袋をはり付けるなどして完成させた。須賀鈴之助さん（１６）は「腕や胸は、全員で協力して段ボールや紙パックを詰め、凹凸を出して筋肉を表現した」と話した。

　原田彩羽さん（１６）によると、当初は全身を作る予定だったといい「悔しさもあるけど、他のクラスの人も手伝ってくれて全員で作った」と完成を喜んだ。（村上貴浩）