運転免許取得に向けた技術を指導する「阪神自動車学院」(兵庫県伊丹市池尻7)の手掛ける動画が、若者に人気の動画共有アプリ「Tik Tok(ティックトック)」で話題を集めている。若手指導員が中心となり、運転技術の豆知識や「あるある」ネタを今年1月から、ほぼ毎日投稿。10代を中心に関心が高まり、6月中旬で約120件の動画に、再生回数は1千万回を超えた。(久保田麻依子)
「検定1発不合格シリーズ」「爆速! 自家用車でクランク」「バイクで最も恐ろしい右直事故…」
同校の公式チャンネル「てぃっくとっかーず」には、カラフルなテロップに合わせて教習所内で撮影されたさまざまなシーンの動画が並ぶ。
昨年末ごろから、20代の若手指導員4人を中心に、ティックトックを活用したPR方法を計画。指導員の中道早紀さん(26)と祐碧衣さん(22)らが昼休みの教習所内で撮影し、スマートフォンで編集をこなす。
投稿する内容で特に力を入れているのが、生徒への指導中に気になったことや、ありがちな運転ミスなどを再現するものだ。
「ブレーキを踏んで止まりましょう」。指導員がそう声を掛けると、急ブレーキで前のめりになる-そんな5秒ほどの動画は170万回再生された。
他にも交差点で右折する際、死角から急にバイクが現れる危険性を伝える動画では、車とバイクそれぞれの視点からカメラを回した。中道さんは「巻き込み確認やタイヤの内輪差など、生徒の運転から気付かされることが多く、教習所ならではの知識で発信ができる」と話す。
投稿を重ねるとじわじわと人気を呼び、6月には全国放送のバラエティ番組で紹介された。「ティックトック見ました!」と駆け寄ってくれる生徒も増え、古田尚希副社長(45)は「敷居の高さを感じている高校生や大学生に、入校前から雰囲気を知ってもらうきっかけづくりになっている」と手応えを語る。
現在の目標は「毎日欠かさない投稿」だ。祐さんはこう強調した。
「生徒たちは緊張のためか運転中に慌てたり、視野が狭くなったりすることが多い。心に余裕を持ってもらうためにも、投稿を見て心がけることを振り返ってもらいたい」
投稿はティックトックの「てぃっくとっかーず」で検索する。
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