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上野志乃さん
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上野志乃さん
絵本「空を泳ぎたかった魚の話」(本下瑞穂さん提供)
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絵本「空を泳ぎたかった魚の話」(本下瑞穂さん提供)
絵本「空を泳ぎたかった魚の話」(本下瑞穂さん提供)
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絵本「空を泳ぎたかった魚の話」(本下瑞穂さん提供)
上野志乃さんが生前に創作したパラパラ絵本を寄贈した政志さん
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上野志乃さんが生前に創作したパラパラ絵本を寄贈した政志さん

 阪神・淡路大震災で亡くなった兵庫県伊丹市出身の神戸大学発達科学部2年上野志乃さん=当時(20)=が生前に創作したパラパラ絵本「空を泳ぎたかった魚の話」が、母校の市立瑞穂小学校(瑞穂町3)とみずほ幼稚園(同)に寄贈された。父政志さん(74)=同県佐用町=が倒壊したアパートのがれきから見つけ出し、4年前に復元して小学校などに贈り続けている。(西尾和高)

 「志乃が生きた証し。震災を知らない子どもに読んでもらい、命の大切さを考えてほしい」。政志さんはそう願いを込める。

 長女の上野さんは小学2年まで伊丹市で過ごし、その後、佐用町に転居した。震災当時、神戸市灘区の木造アパートで1人暮らしをしており、友人とこたつで寝ていて激震に襲われた。政志さんは夫婦で駆け付けて翌朝、冷たくなった娘を見つけた。葬儀後もアパート跡地で遺品を探していると、絵本を見つけた。

 絵本は縦7・5センチ、横12・5センチ。大学の美術関連の授業で作り、計60ページに魚の絵が柔らかな筆致で描かれる。1匹の魚がこいのぼりになり、楽しげに空を泳ぐという物語で、家族への大切な思いをテーマにしている。

 2018年、上野さんの母校・龍野高校の後輩でデザイナーの本下瑞穂さん(43)=和歌山県=が絵本の原本を復元させようと、書籍化することを政志さんに提案した。本下さんと政志さんらは5人で「空を泳ぎたかった魚の会」を結成。18年、上野さんの誕生日の5月19日、がれきの中で見つかった当時の汚れ、しわも再現して100部出版した。

 政志さんらはたつの市や佐用町など、上野さんとゆかりがある地域の小中学校、図書館など約40カ所に寄贈してきたが、コロナ禍で活動が中断。今年2月、4年前に寄贈した宝塚市立仁川小学校の4年の女児から政志さんに手紙が届いたことを機に「これからも娘の遺志を継承したい」と活動を再開した。

 そして、上野さんが伊丹市に住んでいた頃に通い、思い出が残る小学校、幼稚園にも贈ることにした。政志さんは「震災から27年が過ぎても、娘が生きていたことをしっかりと伝えたい」と語った。

 瑞穂小学校の臼井正史校長は「東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の小学校と交流を続けている。上野さんに関する新聞記事などの資料とともに図書室に展示し、児童が震災を学ぶきっかけにしたい」と話した。

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