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大人が経験したことのない未来を「生きる力」を、育める?
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大人が経験したことのない未来を「生きる力」を、育める?

■先生も伸び伸び働けないとダメ/兵庫県西宮市の小1女児の母(40)

 「子どもが小学生になり『小1ギャップ』に驚きました。今まで幼稚園や保育園で二十数人のクラスに先生2人で伸びやかに過ごしてきたのが、いきなり45分間も椅子に座り、先生の話を静かに聞かなければいけない。先生もいつも何かに追われて余裕がない。教え方も画一的で、こんなに学校って窮屈でしたっけ?」

 

 -女児2人を育てる西宮市の女性(40)。小学校での35人学級導入に期待を寄せつつ、知人の教員が漏らす教員不足や多忙、風通しの悪さに、公教育への不安を感じる。

 

 「昔、支援学級のアルバイトをしたことがあるんです。少人数で、先生も子どもの個性を尊重し、良いところを伸ばそうとしていた。理想の環境だな、と」

 「うちの子も普通学級だけど、ちょっと集団行動が苦手なんです。担任からは『指示が通っていない』と言われてしまって。でも、家ではそんなことない。本人の思いを聞いて伝えてくれたら、違うと思うのに」

 「特別支援学校・学級がどんどん増えているけど、教室を分ければ、それだけ先生も必要になるし、グレーゾーンの子が取り残されることも多い。それなら少人数で先生も複数いて、障害の有無に関係なく一緒に学べたら、先生も負担が減る。子どももどれだけ伸びるだろう、と思うんです」

 

 -参院選では、ジェンダーや性自認など「多様性」も焦点に。

 

 「今、関心があるのは性教育。子どもを被害者にしたくないと学び始めたら、男の子の性被害も多くあると知ったんです。女の子より被害を言い出しづらく『弱い自分がいけない』とゆがんだ男らしさにとらわれ、加害者になる人もいる」

 「ネット上にはポルノがはびこっているし、親しい人からの性暴力を言い出せない人も多い。『性や性交を教えるのはタブー』という意識は根強いけれど、そこを破らないと、変わらないんじゃないかな」

 

 -各党は公約に教育分野の「無償化」を掲げる。

 

 「どんな子も、地域の学校で伸び伸びと育つ環境を作ってほしい。そのためには先生も伸び伸びと働けないとダメですよね。選挙のたびに子育て・教育支援が語られるけど、具体的な議論ってあまり聞こえてこない。それどころか、学校では『みんな違ってみんな良い』と言いながら、夫婦別姓も同性婚も認めない国って、どうなんでしょう?」

 「私たちの体験や想像をはるかに超えて、世界は変わっている。ほしいのは『お金』じゃないんです」(聞き手・広畑千春)

    ◆    ◆

 参院選の投開票が10日に迫る。身近に浮かび上がる政治の課題や、一票に託す思いを聞いた。

【特集ページ】参院選2022

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