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不当要求で得た金を確認する組員役(右)とクレーマー役の警察官=伊丹アイフォニックホール
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不当要求で得た金を確認する組員役(右)とクレーマー役の警察官=伊丹アイフォニックホール
クレーマーの女を取り押さえる警察官役の福田和雄署長(右)=伊丹アイフォニックホール
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クレーマーの女を取り押さえる警察官役の福田和雄署長(右)=伊丹アイフォニックホール
伊丹署に相談しに来たスナック店長と工場事務員に警察官が対応する場面=伊丹アイフォニックホール
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伊丹署に相談しに来たスナック店長と工場事務員に警察官が対応する場面=伊丹アイフォニックホール
寸劇を終えて観客にあいさつする警察官たち=伊丹アイフォニックホール
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寸劇を終えて観客にあいさつする警察官たち=伊丹アイフォニックホール
不当要求で得た金を確認する組員役(右)とクレーマー役の警察官=伊丹アイフォニックホール
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不当要求で得た金を確認する組員役(右)とクレーマー役の警察官=伊丹アイフォニックホール

 暴力団の不当要求を具体的にイメージしてもらおうと、兵庫県警伊丹署は署員ら男女7人が出演する寸劇を完成させた。飲食店主と工場事務員が狙われる過程を再現し、時にはユニークなやりとりで観客を笑わせる。暴力団事務所は今年9月に同県尼崎市内でなくなって阪神間6市1町ではゼロになったが、組関係者はひそかに活動を続けているとして注意喚起のメッセージを込めた。(池田大介)

■用心棒をかたって

 寸劇は3年ぶりにあった伊丹市の防犯イベントで約200人に初披露した。組員が、あるスナック店に入ってくる場面から始まる。

 組員「ここの店のモリはどこがしょんや!」

 女性店主「???…昆陽池に森はありますが…」

 組員「その森ちゃうわ! 『モリ』いうたら『用心棒』のことや」

 県警によると、2021年末の県内の暴力団構成員や準構成員は前年比80人減の計約690人。17年には神戸・三宮地区の飲食店など約150店から過去10年間に用心棒代名目で計2億円超が暴力団に流れていた疑いが判明している。

 「うちの組がバックについたる。その代わり、月々の会費は払ってもらうで」。組員がそう言って立ち去ると、店主は独りごちた。

 「うちの旦那も頼りないし…どうしようかなぁ…」

■クレーマーを装って

 場面は変わって、とある工場。大柄の男性警察官がクリーニング店員を名乗る女に扮(ふん)して現れ、女性工場事務員にまくしたてる。

 女「工場の煙で洗濯物が汚れてもたわ。クリーニング代どうしてくれんの」

 事務員「まず確認を…」

 すると女は「わしがうそついてる言うんか!」とすごんだ後、すかさず態度を変えて「じゃあ、せめて、タクシー代だけでも払ってね」と猫なで声で迫った。

 事務員は、渋々と現金を手渡すことにした。

 県警によると、悪質なクレームによって業務に支障が出た場合には、不退去罪や威力業務妨害罪などを適用できる可能性がある。

 しかも寸劇では、このクレーマーの女は、冒頭の組員の仲間だったという設定。組員の不当要求を助けた者は、暴対法に基づく中止命令の対象となり、従わない場合は逮捕できる。

■まずは相談を

 再び場面は転じ、クレーマーの女と組員が薄ら笑いをして部屋で語り合う。「あいつら、ちょっと言うただけで、こんなに出しよったわ。あほや、あほや」

 そこに警察官3人が登場。物語の伏線として、スナック店側と工場側から相談を受けた警察は、こう助言していたのだ。

 「次に来たら、スマホなどで撮影して証拠を残すようにしてください」

 警察官は証拠動画があると告げると、抵抗されてもみあう。伊丹署の福田和雄署長(59)が組員役の手首をつかみ、「これにて一件落着」と締めくくった。

 寸劇は6分程度。福田署長は「事務所はなくなっても、警戒を怠らないでほしい」。組員役で出演した沼田哲臣警部補(45)は「あらすじは実話を基に考えた。不当要求があればすぐ連絡してほしい」と話した。

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