小林聖心女子学院小学校（兵庫県宝塚市塔の町）の５年生約７０人が２７日、今夏学んだ戦争や原爆について同校で発表した。戦時中の同校の様子を知る卒業生や広島で被爆した男性らから聞いた話をスライドや寸劇として披露し、改めて平和の大切さをかみしめた。

　５年生は１０月に広島県などを訪れた「フィールド・トリップ」（宿泊活動）を前に、第２次世界大戦や原爆について学んだ。身近なところから始めようと、戦時中の同校の様子を卒業生から聞き、自分の曽祖父母らの戦争体験を調べた。

　さらに、卒業生の縁があり、２０１６年にオバマ元米大統領が被爆地・広島を訪れた際に抱きしめられた被爆者の森重昭さん（８５）＝広島市西区＝からも話を聞いた。森さんは広島で被爆死した米兵捕虜らの身元特定に尽力した。

　発表会には森さんも招かれ、児童はクラスごとに調べた成果や感想を述べた。児童（１１）は「森さんとひいおじいちゃんが同じような体験をしていて、遠く離れた存在だと思っていた森さんを身近に感じた」と振り返った。森さんは「よく調べられた発表だった。これで終わりにせず、みんなに伝えていってほしい」と話した。（中川　恵）