妖怪ブームが再燃している。人を脅かしたり、だましたり、時には助けてくれたりする物の怪たちは、なぜそこに生まれたのだろう。どうして人々の心に生き続けるのだろう。阪神間にもいくつかの出没情報があり、出会いたいと願って現場を訪ね歩いたら、ゲゲゲな声が聞こえてきた。忘れずに、伝えてほしいことがある…と。お化けは、死なない?。(池田大介)
■尼崎の「戎橋」 砂州の景観語り継ぎたかった?
「文久二年」の文字が街灯の明かりでうっすらと浮かび上がる。兵庫県尼崎市築地5の住宅街に架かる戎(えびす)橋。たもとに残る石柱が、江戸末期の1862年という時を刻んでいた。
10月、橋に足を踏み入れると生温かい風が頬をかすめ、背筋がゾクッとした。
ここには妖怪が出ると伝わる。「暗くなって通ると、砂をかけられる」
-砂かけ婆(ばばあ)である。
人気アニメ「忍たま乱太郎」の原作者で尼崎市在住の漫画家・尼子騒兵衛さんは、母親からこう聞かされてきた。かつて戎橋の手前に石屋があり、石の陰から投げてくる。その姿は誰も見たことがない。
今なら暴行容疑で捜査されかねない。住民に聞き取りを進めると、市立尼崎高校の元教諭・天野一平さん(93)も、両親から同じ話を聞いたと教えてくれた。
ただし、場所は東へ約500メートル先の東本町にあった常性寺(現在は同市西難波町1)。「境内の枯れ木の下を通ったら砂を浴びせられる。子どもの頃は怖くて、夜は外を歩けなかった」
そんな情報を市立歴史博物館の辻川敦さん(62)にぶつけると、こんな答えが返ってきた。
「両地とも砂地でした」
聞けば、戎橋も旧常性寺も一帯は砂州だった。白砂に青松が連なる「摂津の松島」とたたえられたが、江戸前期に尼崎城が築かれて城下町になり、明治に入ると「工都」として歩み始める。戦後は急速な工業化で公害問題も深刻化した。
「尼崎市民にとって、砂浜は自分たちも知らない故郷の原風景でした」。人々は砂かけ婆を通じて夜道の危険を伝えつつ、美しい景観を語り継ぎたかったのかもしれない。
住民らによると、確かに阪神・淡路大震災時は地面の裂け目から砂が湧き出たという。最近では、昔の砂地に建つ家屋は揺れに弱いことが指摘されており、現代では災害への警鐘を鳴らしているのではないか。
戎橋は今や舗装され、石屋の面影もない。それにしても、なぜ夜にしか現れないのだろう。静かな橋上に立つと、昼の喧騒の中では気付かなかった潮の香りが、ほのかに漂ってきた。
【メモ】民俗学者、柳田国男の「妖怪名彙(めいい)」は奈良県の「淋しい森」に出るとしつつ、誰も見たことがないと記す。近畿地方の広範囲に出没の伝承があるが、その容姿は江戸時代の絵図にもない。
阪神間では他に猪名川と神崎川に挟まれた尼崎・中食満、臨海部の西宮・今津など、川や海の砂地だった場所が多い。人気漫画「ゲゲゲの鬼太郎」では主要キャラクターの一人。

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