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鉄を生産する工房だったとみられる建物跡(手前)。右奥は古墳時代中期の方墳=兵庫県西宮市、津門大塚町遺跡
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鉄を生産する工房だったとみられる建物跡(手前)。右奥は古墳時代中期の方墳=兵庫県西宮市、津門大塚町遺跡
鉄の生産工房だったとみられる建物跡から見つかった古墳時代後期の鉄製品。左は矢尻、右は何らかの武器の切っ先とみられる=兵庫県西宮市、津門大塚町遺跡
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鉄の生産工房だったとみられる建物跡から見つかった古墳時代後期の鉄製品。左は矢尻、右は何らかの武器の切っ先とみられる=兵庫県西宮市、津門大塚町遺跡
古墳時代中期ー後期の建物跡で見つかった鉄生産の名残。手に持っているのはふいごから風を送り込んだ土製の管「羽口」と精錬時に生じる不純物の鉄滓(てっさい)。手前右は砥石(といし)=津門大塚町遺跡
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古墳時代中期ー後期の建物跡で見つかった鉄生産の名残。手に持っているのはふいごから風を送り込んだ土製の管「羽口」と精錬時に生じる不純物の鉄滓(てっさい)。手前右は砥石(といし)=津門大塚町遺跡
朝鮮半島で作られた陶質土器。現在の韓国南西部で焼成されたとみられる。くぼみやゆがみ、縄目の模様がある=西宮市津門大塚町、津門大塚町遺跡
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朝鮮半島で作られた陶質土器。現在の韓国南西部で焼成されたとみられる。くぼみやゆがみ、縄目の模様がある=西宮市津門大塚町、津門大塚町遺跡

 古墳時代の円墳2基と方墳6基が見つかっている兵庫県西宮市津門大塚町の「津門大塚町遺跡」で、新たに古墳時代の中期(5世紀前半)とみられる方墳2基と、中期-後期(6世紀後半)とみられる竪穴建物33棟の跡が見つかった。6世紀後半の建物跡からは鉄器製作の名残が出土しており、鉄を生産・加工する集団が住んでいた可能性が高いとされる。県教育委員会が27日、発表した。

 この時代にあった鉄鍛冶工房の発掘例としては、近畿屈指の規模という。

 遺跡はアサヒビール西宮工場跡地にあり、現地で県立西宮総合医療センター(仮称)を建てるのに伴い、昨年6月から敷地内の3区画(約6622平方メートル)で発掘調査を実施。今回が最後の1区画となる。

 方墳2基のうち、規模が分かる1基は一辺が約13メートル。周濠からは「初期須恵器」と呼ばれる古式の須恵器や土師器のほか、朝鮮半島で作られた陶質土器が出土した。陶質土器が市内で見つかるのは初めて。

 33棟の建物跡は方墳のそばにあり、うち3~4棟からは、鉄器製作に使われた砥石や、ふいごから炉に風を送り込むための土製の管(羽口)、鉄を精錬する際に生じる不純物(鉄滓)も多数出土した。

 遺跡からは今回を含めて計10基の古墳が見つかり、うち9基は建物跡と同じ古墳時代中期-後期に築造されたとみられる。古墳群と集落が近くにあるため、県教委は「これらの墓を造り、鉄をなりわいの一つにしていた集団が住んでいたのでは」と推測している。

 現地説明会は2月4日午前10時、午後1時の2回あり、約2時間ずつ。小雨決行。一般用の駐車場はない。現場事務所TEL0798・22・8588

 また調査結果のパネル展が1月31日~3月5日、西宮市川添町の市立郷土資料館で開かれる。

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