兵庫県芦屋市立精道中学校3年の田端良守さん(15)が、全国の環境フォトコンテスト「わたしのまちの○と×」の中学校部門で銀賞に輝いた。幼い頃から写真を撮るのが好きで、ごみに群がるカラスと川辺に集まる人々を対比させ、全国約1万4千件の応募の中から選ばれた。
■小1からフィルムカメラを手に
芦屋市南浜町の潮芦屋ビーチで、カメラのファインダーをのぞき込む。飛び込んでくるのは、砂浜に寄せるさざ波や、優雅に空を飛ぶ鳥たち…。
幼い頃、家族旅行で両親が写真を撮る姿に興味を持った。母が写真の専門学校に通っていたこともあり、小学1年の頃にはおさがりのフィルムカメラを手に出かけるようになった。
夏休みや週末には、野鳥撮影が趣味の祖父の家に行き、山へ登ってシャッターを切った。祖父からも別のカメラをもらい、さらに写真にのめり込んだ。
■息抜きの散歩中に
環境フォトコンテストは昨年7月、夏休みの課題として理科の教員から学年全員に提示された。環境問題への意識向上を目指して出光興産(東京)が開いており、今年で18回目。身近にある「いつまでも残したい風景」と「今すぐに改善したい風景」がテーマだ。
受験勉強の息抜きに散歩しながら被写体を探すと、これまで何度も撮った芦屋の街並みに、嫌な部分は見当たらない。「自分からごみのある場所や汚い場所を探したけど、何か不自然な気がした」という。
そんな時、ふと海に向かうと、普段は見かけない黒い群れがあった。目を凝らすと、波打ち際のビニールや魚の死骸にカラスが飛び交っている。
「その多さに驚いたのと、海から来るごみや漂流物の存在に改めて気付いた」。これだと感じてレンズを構え、一瞬を切り取った。
その時、お気に入りの芦屋川河口付近の景色が浮かんだ。実際に向かい、楽しそうに人々が過ごす風景を撮り、二つの水辺を対比させて「集まる場所」と名付けた。
1月19日、授業後にクラスで受賞を知らされた。「恥ずかしかったけど、自分の考えや工夫が作品の講評に書かれていて、うれしかった」と笑顔を見せる。
現在、受験勉強がヤマ場を迎えている。今後も写真を撮り続けたいといい「旅行が好きなので、旅先のきれいな風景を撮影したい」と話す。
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