阪神

  • 印刷
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT
三田市消防本部の敷地内に設置されている三田地域気象観測所。左が温度計、右下は雨量計=三田市下深田
拡大
三田市消防本部の敷地内に設置されている三田地域気象観測所。左が温度計、右下は雨量計=三田市下深田

 兵庫県の阪神地域に赴任してまだ2週間というのに、早速、頭を悩ませていることがある。気温を測っている地域気象観測システム(アメダス)が三田市以外にないことだ。手前勝手ながらこれまで気にもしてこなかったが、阪神地域の記事に気象データを盛り込む時、神戸の数字ではどうもしっくりこなくて…。尼崎や西宮は中核市なのに、なんでないの?

 気象庁が公表している「地域気象観測所一覧」によると、兵庫県内にはアメダス観測所が27カ所ある。うち6カ所は降水量のみ、1カ所は風と日照のみで、残り20カ所は気温や風速なども観測している。阪神地域の7市1町では唯一、三田市下深田に気温などを記録する観測所がある。西宮市奥畑の観測所は降水量のみだ。

 阪神地域の記事に使う気象データは、できれば阪神管内の数字にしたいところ。とはいえ、三田は今年1月に氷点下8・2度を記録するなど、南部とは一線を画す印象があり採用をためらう。今月7日付、二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」を報じる際は迷った末に神戸の気温を、9日付の梅の記事では三田の気温を入れた。

 こんな悩みを抱えたままでは記事が書きづらい。そう思い、神戸地方気象台に尋ねてみた。170万人以上もいる阪神地域で、どうして三田にしか気温の観測所がないのでしょう?

 「人口とか街の大きさは関係がなくて」と、調査官の松岡政幸さんが教えてくれた。降水量だけの観測所は約17キロ間隔、気温も風も観測する施設は約21キロ間隔で設置するという基準があるという。

 たしかに三田の観測所から神戸地方気象台(神戸市中央区)へは約22キロ、大阪航空気象観測所(大阪府豊中市)へは約24キロと、おおむね基準を満たしていそうだ。

 松岡さんは「一番近い観測点のデータをご利用いただくのがいいのでは」と勧めてくれた。なるほど。例えば尼崎市役所からなら、約18キロ離れた神戸地方気象台よりも、大阪管区気象台(大阪市中央区)までの約11キロの方が近い。伊丹市役所から大阪航空気象観測所まではたったの4キロだ。

 ガッテン、ガッテン。これからは迷わずに済みそうだ。ただ、神戸地方気象台と大阪管区気象台の間隔は約28キロあり、やっぱり西宮あたりでも気温を測っていい気がした。

■氷点下10度以下の記録も 「低すぎる」冬の気温三田で観測

 阪神地域7市1町で唯一気温を測る地域気象観測システム(アメダス)は、三田市下深田の市消防本部にある。この設置場所をめぐって同本部には時々、市民から意見が寄せられるという。「三田の冬の気温が低いのは、観測している場所のせい。ほかへ移せば、そこまで低くないはずだ」と。

 三田で冬場に記録される最低気温の低さは、県内20カ所中でもトップクラス。年間の最低気温では2013~22年の10カ年で6回も県内1位に輝いた。05年には観測史上最低の氷点下10・6度をマークしている。

 こうしたデータに対し、一部の市民は疑問を抱いているという。「武庫川沿いの開けた場所にある消防本部は、盆地の三田の中でも特に寒いのではないか。ニュータウンで観測すればもう少し高めに出るだろう」という主張だ。

 ただ、どこにでも移せるわけではない。神戸地方気象台によると、移転する際は5キロ以内でないと統計を継続できないほか、地形や周りの構造物などの条件もある。同じ環境を長期間維持できる公の施設などが望ましいという。

 1996年の市消防本部移転も5キロ圏内だったと、総務課副課長の石井浩喜さん(48)が教えてくれた。「でもね」と石井さんが付け加える。「どこで測っても、三田は寒いと思いますよ」

阪神三田
阪神の最新
もっと見る
 

天気(9月8日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 40%

  • 33℃
  • ---℃
  • 50%

  • 34℃
  • ---℃
  • 20%

  • 34℃
  • ---℃
  • 40%

お知らせ