〈耳内に壊れたラジオ一つあり少女の頃より夕ぐれに鳴る〉。長年難聴に苦しんできた元高校事務員、和田守玖子(しゅくこ)さん(77)=尼崎市=の初歌集「空の家族」が話題を呼んでいる。度重なる試練を乗り越え、生きづらさを抱える生徒らと向き合ってきた和田さん。歌歴はまだ2年余りながら、その言葉は力強く温かい。(平松正子)
尼崎に生まれ育った和田さんは10歳の時、結核治療薬の副作用で感音性難聴を発症。18歳で県立武庫工業高校(現・武庫荘総合高校)に勤め始めた。補聴器と読唇で仕事に支障はなかったが、「周囲に難聴を理解してもらえず、疎外感にさいなまれた」という。
〈補聴器をはずせば音の無い世界しばし楽しむ宇宙遊泳〉
〈真夜中に耳鳴りの音荒れ狂いふいに持ちたる銀の刀身〉
以後も不安神経症や膠原(こうげん)病など心身の病に襲われたが、前向きな努力を怠ることはなかった。「どん底まで落ちたら、怖いもんなんかあらへん」。全てを包み込む深いまなざしは、とりわけ同じ障害に悩む生徒に向けられた。
〈難聴の生徒が泣いて音もなく鳴きいる蝉(せみ)を二人して見る〉
〈血縁はなくてもあなたは娘なの唇を読まない術(すべ)を教える〉
退職後は趣味のフラダンスを楽しんでいたが、年々足腰が弱り踊ることが困難に。新たな生きがいを探していた時に短歌と出合った。武庫荘総合高で懇意だった国語教諭で歌人の楠誓英(くすのきせいえい)さんに手ほどきを受け、2020年11月から作歌を開始。程なく新聞歌壇やコンクールで入選が続き、今年に入り歌集を出版した。
〈大いなる宇宙(そら)とつながり踊る時プルメリアの花闇にゆれおり〉
〈うず高く積りし落葉舞い上り空の家族が呼ぶ声がする〉
楠さんは「和田さんの歌を初めて読んだ時、その『向日性』のエネルギーに圧倒された」と評価。ネット上にも「境遇に負けない生き方に感心」「生徒への目がやさしい」などと書き込まれ、各種団体からの講演依頼も相次いでいる。
「友達への形見としてまとめた歌集に、思わぬ反響があってびっくり。若い頃からの苦労が今、大きな幸せになって報われているみたい」と無邪気に喜ぶ和田さん。77歳の新進歌人のさらなる活躍に期待が高まる。
歌集は現代短歌社刊、2750円。同社TEL075・256・8872

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