ベトナムにラーメン店「桐麺」を出店した桐谷尚幸さん(左端)と松井利也さん(中央)=桐谷さん提供
ベトナムにラーメン店「桐麺」を出店した桐谷尚幸さん(左端)と松井利也さん(中央)=桐谷さん提供

 ラーメン店主の桐谷尚幸さん(44)=兵庫県加西市北条町西高室=が考案したラーメンが世界に進出した。5月下旬、ベトナム・ホーチミン市にラーメン店「桐麺」が初出店。桐谷さんも現地に渡り、地元食材を使ったラーメンの味を監修した。客入りは盛況で、さらなる店舗拡大を目指している。(村上晃宏)

 桐谷さんは福岡市出身。ラーメン店での修業を経て、2014年に大阪市でラーメン店「桐麺」をオープンした。太麺に卵を載せたシンプルな見た目ながら、奥深い味わいの「冷やし桐玉」などが脚光を浴び、3店舗まで拡大。飲食店情報サイト「食べログ」の「ラーメン百名店」にも選出されるほど人気になった。

 「田舎暮らしをしたい」との思いから、4年ほど前に加西市に移住。3店舗を閉めようとも考えたが、通ってくれた常連客の居場所を残そうと、独立前からの知り合いだった飲食店経営の松井利也さん(30)に経営権を譲渡した。

 松井さんは4年ほど前に会社「桐麺JAPAN」(大阪市)を設立。桐谷さんの味を守りながらも、麺に使う小麦粉はオリジナルの「スーパー桐麺粉」を開発し、各店舗で安定した味の提供を実現した。桐谷さんも同社の取締役最高顧問として関わるほか、加西市で同社から独立した店舗をオープンしている。

 同社社員の知人にベトナムで飲食店をやっている人がいる縁から、ベトナムに関心を持った松井さん。大手チェーン店の進出もまだ進んでいないため「今、行かないと世界戦略に乗り遅れる」と出店を決めた。

 現地に海外法人「ラーメンドリーム」を設立してベトナム人を雇用し、日本人スタッフを派遣してラーメンの作り方を一から指導。桐谷さんもベトナムに足を運び、現地の食材を生かした桐麺の味を監修した。

 オープン日は行列ができ、現地に住む日本人も多く訪れたという。ベトナムの富裕層から人気が高いといい、3年以内に10店舗の出店を目指す。松井さんは「手応えは十分。ベトナムで最大手になれるよう頑張りたい」と意気込む。

 桐谷さんは「オープン日は胸が高まる思いだった。今後も先頭に立ち、関わっていきたい」と期待を寄せた。