捜査車両に乗せられて長田署を出る菱川龍己容疑者=6月24日、神戸市長田区北町3
捜査車両に乗せられて長田署を出る菱川龍己容疑者=6月24日、神戸市長田区北町3

 指名手配から約9年。アパートに潜んでいた暴力団組員の男は抵抗することなく、身柄を確保された。2017年、神戸山口組から分裂した任侠山口組(現・絆会)の組員が射殺された事件で、殺人などの疑いで菱川龍己容疑者(50)が逮捕されてから、7日で2週間。約9年の間に山口組の分裂抗争は構図が一変し、逃走を支えた人間関係やカネの出どころに影響した可能性もある。全容解明に向け、兵庫県警の捜査が続く。

 6月23日早朝、山口県下松市の住宅街にある2階建てアパートを捜査員が囲んだ。合図とともに1階の窓を割り、室内へ突入。布団で寝ていた男に捜査員が声をかけた。

 「菱川か」。男は抵抗せずに「はい」と答え、その場で逮捕された。部屋の賃貸契約は別人の名義で結ばれ、本人はスマートフォンを所持していた。

 逮捕のきっかけは6月上旬、山口県警から「似ている男がいる」と情報提供があったことだった。画像を見た瞬間、兵庫の捜査員は「そっくり」と色めき立ったという。両県警で合同捜査本部を設置。防犯カメラの映像などで裏付けを進め、逮捕に踏み切った。

■山健組は山口組に復帰

 「どちらが支援していたのか、解明はこれから」。容疑者の逮捕直後、捜査幹部は繰り返した。