乗用車で事故を起こし、同乗の母親=当時(79)=を死なせたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた神戸市西区、無職の男(45)の判決公判が9日、神戸地裁であり、稲垣雄大裁判官は拘禁刑2年、執行猶予3年(求刑拘禁刑2年)を言い渡した。
判決などによると、男は昨年9月21日午後6時40分ごろ、同市灘区友田町3の国道2号交差点で乗用車を運転し、中央分離帯にぶつかり、助手席の母親を死亡させた。
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「悔やんでも悔やみきれません」。被告の繰り返す言葉が法廷に響いた。
男が車で事故を起こし、死なせた同乗者は、男にとって唯一の家族である母親だった。6月の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側の冒頭陳述によると、当時母親と2人暮らし。事故は墓参りからの帰宅途中で起きた。男は事故前、眠気を覚えながらも運転を続けた。ドライブレコーダーの記録から事故直前の時速は55~60キロで、男があくびをしたり、寝落ちしたりする様子も写っていたという。検察官は「眠気を感じた地点から事故現場までに休憩可能な場所が5カ所あった」と指摘した。
男は「次の日が仕事で、早く帰りたかった。休憩場所を探すべきだった」と語った。事故現場は年3回の墓参りで通る道で、「油断があった」。これが初めての事故だったという。
今後運転するかを問われると、こらえていた涙をこぼした。「母を亡くして、運転が怖い」。事故後一切運転はせず、車は処分し、免許証返納や運転が不要な就職先を検討していると明かした。
検察側から、母親のいとこの「処罰は望まない。一番つらい思いをしているのは(男の名前)だから」とする供述調書も読み上げられた。弁護人は寛大な処分を要望。男は「唯一の家族である母を亡くしてしまい、悔やんでも悔やみきれない。これからは母のために一生懸命生きていきたい」と語り、即日結審した。
9日の判決公判で、稲垣雄大裁判官は男が眠気により前方注視が困難な状態で運転した行為に「非難に値するが、深い反省の態度を示している」などと量刑理由を述べた。男は小さな声で「ありがとうございました」と発し、頭を下げた。
弁護側代理人は取材に、控訴しない考えを明らかにした。(初鹿野俊)























