湊河湯の改装前に行われたライブ。現在も漫才や音楽イベントが頻繁に=湊河湯
湊河湯の改装前に行われたライブ。現在も漫才や音楽イベントが頻繁に=湊河湯

■若者どう引き込むか、知恵絞る

 古代ローマのテルマエ(公共浴場)は階級を超え人々が集った。地域の「寄り合い所」でもある日本の銭湯は、後継者不足や燃油の高騰などで苦境に立つが、知恵と工夫で変身を遂げた例もある。

 「昼間は年配の常連さん、夜は家族連れ、土日は銭湯ファンと客層の幅が広い」と話すのは湊河湯(神戸市兵庫区東山町2)の松田悠店長。いったんは廃業を考えた銭湯を継ぎ、新たに運営する「ゆとなみ社」(京都市)の社員で、2023年8月に74年続いた先代から引き継いだ。