六甲山地の地図を使いながら、救助の状況を説明する渡辺徳英さん(右)=灘署
六甲山地の地図を使いながら、救助の状況を説明する渡辺徳英さん(右)=灘署

 六甲山地で遭難していた女子高校生を助けたとして、兵庫県西宮市に住む看護師の渡辺徳英(よしひで)さん(36)が、灘署長感謝状を受けた。泣きながらしゃがみ込む高校生に声をかけ、宿泊先の施設まで付き添った。

 3月30日、仕事が休みだった渡辺さんは、趣味の登山で朝から摩耶山(702メートル)を訪れていた。午前8時半ごろ、中腹の川沿いのコースを歩いていると、ジャージー姿の女性が道の脇にしゃがみ込んでいる。

 登山にふさわしくない軽装で、手で涙をぬぐっていた。「どうしたんですか」と声をかけると、「道が分からなくなりました」と漏らした。

 聞けば、県外から来た高校生。学校の行事で山上の宿泊施設に滞在しており、「早朝から山に入って迷ってしまった」と明かした。疲れも濃く、渡辺さんはリュックに入れていたコーラとパンを手渡した。

 助けを呼ぶために110番通報も考えたが、スマートフォンの電波が届いていない。登山アプリの地図を確認しながら、一緒に施設へ向かった。幸いにも生徒にけがはなく、40分ほどで送り届けることができたという。

 灘署で4月15日にあった贈呈式で、植田賢治署長から感謝状を受け取った渡辺さん。「六甲山での遭難のニュースに触れるたびに心が痛んでいたので、無事に救えてよかった」と笑みを浮かべた。(池田大介)