のじぎく賞を受け取る杉山陽一さん=三田署
のじぎく賞を受け取る杉山陽一さん=三田署

 JR宝塚線の線路に迷い込んで出られなくなった高齢女性を保護したとして、兵庫県警三田署は、藍小学校教諭の杉山陽一さん(40)=神戸市北区=に県の善行賞「のじぎく賞」を伝達した。

 同署などによると、昨年12月15日午後1時過ぎ、三田市西相野の同小で杉山さんと児童らが給食後に食器などを運んでいると、窓から、校舎近くの線路に人影が見えた。とっさに「自分なら助けられる」と思い、校長に状況を伝えて線路へ走った。

 そこにいたのは70代の女性で、100メートル以上離れた踏切から入ったとみられ、出口が分からなくなっていた。杉山さんは教師になる前は、理学療法士として約7年間、病院や施設の高齢者と接した経験があり、まずは落ち着かせようと「どこかに行こうとしたの?」「私にお手伝いできることはありませんか」と優しく声をかけた。

 話を聞くと、女性は線路のそばにある知人宅に行こうとして道に迷ったといい、フェンスを越えて線路から出ようとしていた。杉山さんは「電車が来たら反対側の線路に寄ろう」などと考えながら、女性の腕を抱いてゆっくり歩き、踏切から外へ連れ出した。

 女性はその後、学校からの110番で駆けつけた同署員に引き渡された。けがはなかったという。

 南沢英志署長から賞状を受け取った杉山さんは、「けがなく助けられて本当に良かった。子どもたちにも、困っている人には手を差し伸べるように伝えたい」と話した。(谷川直生)