切ってもらった髪を手に、晴れやかな笑顔を見せる小紫心瑛さん=三木市福井1
切ってもらった髪を手に、晴れやかな笑顔を見せる小紫心瑛さん=三木市福井1

 病気などで髪を失った人に医療用ウィッグ(かつら)を提供する「ヘアドネーション」に協力しようと、兵庫県三木市のサッカー少年が2年前から伸ばし続けた髪をばっさりと切った。自身も闘病経験があり、毎日の洗髪も苦にはならなかったという12歳は「誰かの笑顔に役立ててほしい」と照れた表情を浮かべた。

 自由が丘小学校6年の小紫心瑛(こてる)さん。生後間もなく腸の難病「ヒルシュスプルング病」が発覚し、大腸の一部を切除する手術などで5カ月間の入院を経験した。さらに腎臓の病気も見つかり、治療を受けながら小学校生活を送ってきた。

 病気と付き合いながら、没頭したのがサッカー。骨折しやすくなるという困難にも負けずに練習に打ち込む中、通院先の神戸大学病院でヘアドネーションを知ったという。

 「俺病気やから、サッカーと体育頑張る」と言うほど、体を動かすのが大好きな心瑛さんが「これならできる」と決意した貢献活動。シャンプーやドライヤーに時間がかかるが、練習と同じくらい手間を惜しまずに励んできた。

 20日朝、同市福井1の美容室「デジレ」を訪れ、店主の平石悟史さんにはさみを入れてもらった。闘病者への贈り物と引き換えに、ショートヘアとなった自分の姿が鏡に映った。「入院する人が大変なのは分かってる。だから自分も頑張れた」。サッカー少年の善意が、きれいに束ねられた約33センチの黒髪に込められた。(大山伸一郎)